鉄骨と1950年代の匂いと…ザ・タワーホテル名古屋宿泊記2023

古い建物にはその時代の「匂い」があるものですよ。どんなにそっくりそのままのものをいま作ったとしてそれだけは再現できないでしょう… それはオーセンティックと言われたりするものかもしれません。しばしば大正ロマンや昭和レトロを再現した場所がつくられることがあります。そういう古き良き時代に対する愛着自体はとても素敵なことだと思うのですが、でもなにかものたりなさを感じてしまうときもあります。 ここで「匂い」 […]

NIPPONIA HOTELS初心者として…新しい体験に開かれたふたつの宿の宿泊記

ここ2ヶ月ほどのあいだに私に直接お会いした方はおおよそ、私が口々に「古民家が良い、日本的な景色が良い、古い建物のあたたかさが…」云々と矢継ぎ早に言葉を並べる様子を興味半分、呆れ半分にあたたかく聞いてくださったに違いないでしょう。自覚はあるのです。コロナ禍によって遮られた人流の再開という大きな動向は、私の生活に少なからぬ影響を与えており、海外に行く仕事も再開するようになりました。私は自分自身が国際的 […]

2023年春、ミヤコホテルをめぐる旅〜ウェスティン都ホテル京都と大阪マリオット都ホテル宿泊記

東山三十六峰のひとつに数えられる華頂山は、別名花鳥山ともいい、古くは桓武天皇が平安京の造営のために将軍塚を築いた故事が伝わる「みやこ」としての京都のはじまりの場所と言えるでしょう。そんな由緒正しい土地に19世紀の終わり頃に保養地が築かれ、世紀末の1900年に現在まで続く京都を代表するホテルが誕生します。都ホテル…東京の帝国ホテルと並び迎賓館の役割を担う日本を代表する名門ホテルです。100年を超える […]

短い宿泊記〜2023年3月、春の東海道を旅する。

春は出逢いと別れの季節である。そんな言葉がここのところ私の心のうちをめぐっています。なにかにつけてそれが意識の上に浮かんできては口をついて出てくるような気がします。実際に色々な別れがありました。そしてそのぶん新しい出逢いに対する期待や喜びもあります。 ここのところ様々な用事で東海道を往来する機会が多かったのですが、これまでにもこのブログに書いてきたホテルばかりに泊まっているのであえて個別の宿泊記に […]

2023年2月 ひらまつ熱海 宿泊記

関東の冬は乾いた快晴の日が多い。あの日の夜も空気は乾いていて、星が綺麗に見えていて、なんだかぼんやりと海を眺めたい気持ちになったのでした。戦前から避暑のための別荘地として親しまれた熱海は、高度経済成長期あたりには新婚旅行の聖地のひとつとなり、社員旅行の王道でした。そんな時代の温泉地の名残をいまに伝えつつ、ゆっくりと変化を遂げつつあるこの街。熱海パールスターホテルができたり、他方でラグジュアリーコン […]

2023年2月 パークハイアット東京 宿泊記

ブルートレインで最後の旅に出かけたのは、いつの頃だったのだろう。ガタンという鈍い衝撃音と共に客車が揺れる。みんな一緒に揺れる。A寝台もB寝台も乗務員も。そしてキーっという甲高い音が遠くに聞こえるやいなや、静かに滑らかにゆっくりゆっくりと景色は後ろに流れていく。特に好きだった東京発大阪行きの夜行急行銀河。日本の二大都市を結ぶビジネス列車。でもビジネス列車というにはあまりにもくたびれていて、どこか時代 […]

2023年2月 金谷ホテルにて

佐藤愛之助、生まれはロンドンから少し北にいったクラプトン。その珍しい苗字がのちの彼の運命をどこまで決定的なものにしたのかについては議論の余地があることでしょう。いまよりもずっと社会的な流動性の低かった時代のこと、オックスブリッジでの学位取得が困難であることを見越して、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンを優秀な成績で卒業した彼は、遠い異国の地を心に抱いて海へと船に乗り込み、公使館の通訳生として横浜の […]

2023年1月 パークハイアットソウル宿泊記

釜山駅からはきらきらと輝く海が見えました。密陽経由でのんびり走っていたKTXは、大邱を出るとスピードを上げて、枯れた山々やいきなり現れる高層ビルの都市を抜けて、ようやくソウルの街まで辿り着きました。現代的でありながら日本の大都市の駅に比べると妙に無機質なプラットホームに降り立って、そのままタクシー乗り場へ。ハイアットまで。でも南山のグランドハイアットではなくて、三成のパークハイアットに。わざわざ運 […]

2023年2月 ウェスティンチョースン釜山 宿泊記

年明けのムードもすっかり忘れつつある2月のはじめ。私は再びこの街を訪れました。去年の年末に急用のためにソウルに行くことになって、久しぶりにその手軽さを思い出して、すかさずまたホテルを予約してしまったのでした。日本から最も近い海外の大都市。その距離的な近さもさることながら、魅力的なホテルが数多くあることも、この地を何度も訪ねる理由として十分すぎるほどです。今回はもともとソウルにある個性的なハイアット […]

2023年1月 グランドハイアット東京 宿泊記

想定していたよりもやることが多くて、結局、夕方の5時近くになってしまいました。六本木通りには混沌とした車の列ができていて、乾いた寒気の中に無数の白い排気を放出していました。雪が雨に混じった曖昧な天気のなか、私はハンドルを切って、屋内のループラインをホテルのエントランスへと進んでいきます。 今日は特に冷えますね。そんなことをベルのスタッフに話しつつ、鍵と荷物を預けます。そのままグランドクラブへと案内 […]