2022年4月 シェラトングランドホテル広島宿泊記

春になるとどういうわけか瀬戸内海の景色を眺めにいきたくなります。しかしそれを実現できるかどうかは別でした。東京に住んでいる私にとって、物理的には近くても、気軽に旅をするには遠い場所。それゆえに九州や北海道以上に行く機会のない場所でした。 ぼんやりと数年前に広島を訪ねたときのことを思い出していました。少し切ない美しさを感じる夕凪の風があの日の街に吹き抜けていました。東京では味わうことのできないあの心 […]

2022年4月 モクシー京都二条 宿泊記

逢坂山を越えて京都駅に降り立つとほのかに構内からお香のような匂いを感じます。相変わらずごった返している巨大なターミナル駅には、朝に尋常ならざる緊張を抱えながら出かけていって、ようやく長い1日を終えた、やや満足げな安堵の表情の新入社員や学生のいくつもの表情がありました。私は重たい鞄をかかえたままで山陰本線のホームに向かいました。今朝までいた東京の電車とは明らかに異なる車内の雰囲気があることは、わずか […]

2022年3月 パークハイアット東京宿泊記 ガバナーズスイート

ときどき無気力になる日があります。毎日はそれなりに忙しなく過ごしているはずなのに、なぜか退屈に思えてしまう。出会いと別れ。花が開き、芽吹きだすこの季節は、私たちの心の中にある微細な感性も目を覚ますようです。以前であれば、もっと新しい刺激に対する感性を強く持ったものですが、最近はなんだか鈍くなってしまったような気がしています。それはなんだか寝起きが悪くて、いつまでもすっきりしないままに過ごしているよ […]

2022年3月 ホテルインディゴ犬山有楽苑宿泊記 犬山城ビュープレミアム

東京発の東海道新幹線の列車は滑るように名古屋駅に辿り着きました。事前に席を予約していたとはいえ、いつになく重たい荷物を抱えて、慣れないせいかやたら広大に思える駅の構内を小走りで、乗り継ぎの名鉄名古屋駅に向かいました。いつか泊まった名古屋マリオットアソシアの入り口を傍にみながら、客待ちのタクシーでごった返している名鉄百貨店横の階段を駆け下ります。大手私鉄の代表的なターミナル駅としては驚くほどコンパク […]

2022年2月 パークハイアット京都宿泊記 二寧坂ハウス

春の気配を強く感じるようになってきた3月。私の心は再び京都・東山に向けられていました。もう滞在から1ヶ月。長いような短いような。記憶を振り返り、いまをみつめるとき、私はときどきその言葉が脳裏に浮かんできます。その渦中にいるときには延々と続くように思える退屈な時間。しかし過ぎ去ってしまうと、なにも残っていないように思えてきて、密度は薄く、あっという間だったと思える。そんなあいまいな1ヶ月。この間、コ […]

ラグジュアリーホテルの魅力についてKENJIさんと語り合う・Clubhouse配信の記録2

2021年の春先くらいのことでした。このブログの最初期からの読者であり、Twitterなどを通じて交流のあるKENJIさんからClubhouseでホテルの魅力を語り合う配信をしませんか?というお誘いを受けました。もともとKENJIさんの素晴らしい写真と紡ぎ出される物語のファンであった私は、このお誘いをとても光栄に思いました。またお互いにかなりのホテルラバーということもあり、直接お会いしたときにもマ […]

2022年2月 セントレジスホテル大阪宿泊記

まだ車も少ない東京の薄明には有明の月が見えていました。ぼんやりと白さがまして明るくなってくる時間帯には私たちは富士山のふもとを通過して、静岡県を西へ西へと進んでいました。この調子で走っていけば昼前には大阪につけそうだ。そんなことをぼんやりと考えながら、鈴鹿山脈を通過する頃には雪が降ってきました。カモシカがいるかもしれない。御在所山。聞いたことはあっても見たことのない地名を横目に新名神高速道路を進み […]

2022年1月グランドハイアット東京宿泊記・行く当てのないふたり、屋根の上の庭へ

首都高速は今日も決まっていたかのように渋滞。諦めにも似たような表情を浮かべた人たちの車列のなかで、私もハンドルを握っていました。些細なことですれ違い、ああまたか、そう話し合っているうちに元に戻る不思議な関係。はじめて彼女に出会った頃の、純粋で、時に苦しく、時に甘い、あの激烈な感情が推移して、お互いが穏やかにいることこそが幸せと感じるようになったのはいつでしょうか。いつのまにか敬語で話す関係ではなく […]

2022年1月ザ・プリンスさくらタワー・オートグラフコレクション宿泊記 心がまるくなる癒しのホテルの冬のある日

東京の乾いた冬のなかで過ごし続けていると、春のあたたかさを待つような心境になってくるものです。私は冬という季節が好きだし、時が早く過ぎていってほしいとも思わないのですが、ふとなんだか、あのあたたかい陽射しが恋しい気持ちになっていたある日のこと、どういうわけか日本庭園のあるホテルに泊まりたくなり、高輪にあるザ・プリンスさくらタワーを予約したのでした。いや、そうした春待つ心境は、じつはこじつけで、ホテ […]

2022年パークハイアット東京宿泊記・情熱のジャズが響く年越しのニューヨークバーと静かな初日の出と

なんだか季節感のない2021年でした。春の穏やかな日の裏にはどこか気忙しい思いが介在していたし、夏に心を焦がすこともなく過ぎて、愁いの枯れた秋には例年になく寂しさが強かったし、ようやく落ち着くと見えた冬になっても時は師走の候。相変わらず海外に行くこともできず、自分の思う通りになったこともそれほど多くはない。ただ毎日をなんとなくやり過ごしてきてしまったような思いが今更ながら込み上げてきます。しかしそ […]