2022年11月 パークハイアットオークランド宿泊記 Park Hyatt Auckland

夜の10時近くなってそろそろ搭乗のアナウンスが流れる頃。想像よりもはるかに短い時間で出国の手続きを終えた私は、夜の空港のターミナルでハーブティを飲んでいました。本当はコーヒーでも飲みたい気分だったのだけれど、夜間飛行とカフェインはどこか私のなかで相容れないものがありました。 それにしても寂しいターミナルです。夜の空港には独特の疲れたような雰囲気が漂うものですが、これは昨今の社会情勢の反映でもあるの […]

2022年夏のホテル滞在をふりかえる

本当は毎日書きたいと思っていたのです。少なくとも1週間に1回は。いや、仕方ない、2週間に1回書けたらそれでいいや…ところが、日常のさまざまなことをこなしているうちに、あるいは、そんなことを言い訳にしながら、ついつい更新の手が止まり、1ヶ月に1回、より正確には、1ヶ月半に1回くらいの更新頻度になってしまいました。Twitterではしばしばホテルの滞在を綴っていました。そしてそれで満足した気でいたので […]

2022年6月 ハレクラニホテル宿泊記

Blue Hawaiiな気分の夜を超えて、ロイヤルハワイアンをチェックアウトした私たちは、日中のからりとした太陽の下のワイキキの街を歩いていました。タクシーは呼ぶまでもないよね。パートナーと互いに先ほどまでいたピンクパレスの印象を語り合いながら、白亜のホテルまで数分の散歩。 私が以前から泊まってみたかったハレクラニホテル。数年前に沖縄恩納村にも同ブランドのホテルが開業し、アフタヌーンティーや食事に […]

さあ、再びホテルに…

名前を失ったままにホテルに泊まるというのは妙な感覚でした。厳密にいえば、本名はたしかにそこにあったのですが、私がホテルに泊まるとき、それはたしかに「あっぴ」としての経験であったように思うのです。諸々の事情でTwitterのアカウントを止めると宣言した数ヶ月前。それからというもの、私の宿泊体験は相対的に「閉じたもの」になっていました。しかしそうした諸々のことが解決し、改めて慣れ親しんだ愛着のあるこの […]

2022年6月 ロイヤルハワイアン宿泊記 マイラニタワー・プレミアオーシャン

次に新しい水着を買うのは、私の大好きなハワイに行くときね…彼女が冗談めかしてそんな会話をしたのはもうずいぶん前のことです。パートナーと出会った頃のことかもしれません。お互いに海外旅行が好きなのにこれまで一度も日本から離れた場所に旅をしたことがない。それほどまでに刻一刻と変化する不安定な社会情勢だったのです。2100年から歴史を振り返ったときにこの時期がどのような意味を持つのか、いまを生きる私たちに […]

2022年5月 パークハイアット東京宿泊記 プレジデンシャルスイート

脱力感のある音楽を聴きながら、私の車は新宿の摩天楼に吸い寄せられていきました。何度来ても未知の場所に迷い込んでしまったかのようなホテルの玄関。ダイアモンドのような天窓とシルバーの彫刻に迎えられて、私は今日もこのホテルにチェックイン。パークハイアット東京。私が世界で最も好きなホテルの最も特別な部屋で今日は短い休暇を過ごすことにしましょう。 長い長い廊下を通って、緑の床のエレベーターで51階まで。突き […]

2022年5月 富士屋ホテル宿泊記 西洋館ヒストリックデラックスツイン

素晴らしい思い出がみんな蘇ってくるのです。 涙をさそうこともあるけれど。 あの頃と同じように。 もしあの頃に戻れるならば… 首都高速を抜けて、東名高速から小田原厚木道路を通って、箱根に向かう車のなかでCarpentersのYesterday Once Moreの一節が頭のなかに浮かんできました。美しい旋律にのびやかな声でしみじみとした曲が流れる今日は連休の最終日。青空の神奈川中部はどこかのどかで、 […]

2022年4月 シェラトングランドホテル広島宿泊記

春になるとどういうわけか瀬戸内海の景色を眺めにいきたくなります。しかしそれを実現できるかどうかは別でした。東京に住んでいる私にとって、物理的には近くても、気軽に旅をするには遠い場所。それゆえに九州や北海道以上に行く機会のない場所でした。 ぼんやりと数年前に広島を訪ねたときのことを思い出していました。少し切ない美しさを感じる夕凪の風があの日の街に吹き抜けていました。東京では味わうことのできないあの心 […]

Twitterでの配信をやめた心境

喪失感。そう表現するのが最も適切でしょうか。実際にはもっとぼんやりとしてつかみどころのないような心境ではあるのですが、あえて言葉にするならばそれがもっとも適切のような気がします。思い返せばTwitterのアカウントをはじめたのはこのブログの記事を多くの人に読んでもらって、それを話の種にしてホテルについての話題を自由に交わし合えたら幸せだなという想いからでした。周囲にいる多くの人がTwitterのア […]

2022年4月 モクシー京都二条 宿泊記

逢坂山を越えて京都駅に降り立つとほのかに構内からお香のような匂いを感じます。相変わらずごった返している巨大なターミナル駅には、朝に尋常ならざる緊張を抱えながら出かけていって、ようやく長い1日を終えた、やや満足げな安堵の表情の新入社員や学生のいくつもの表情がありました。私は重たい鞄をかかえたままで山陰本線のホームに向かいました。今朝までいた東京の電車とは明らかに異なる車内の雰囲気があることは、わずか […]