IHG修行とインターコンチネンタルアンバサダープログラム【2020年版】

IHG

今回はイギリス発の世界規模ホテルチェーンであるインターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)が展開するロイヤルティプログラム【IHGリワーズクラブ】の特典や上級会員をめざす修行について色々と検証していきたいと思います。またIHGではそのフラッグシップホテルブランドである「インターコンチネンタル」の宿泊者を主に対象として独自のプログラムである「インターコンチネンタルアンバサダー」を展開していますので、こちらも合わせてみていきましょう。

上級会員になるには?

はじめに【IHGリワーズクラブ】の会員ランクがどのようになっているのかについて見てまいりましょう。

スパイアエリートカード
出典:https://www.ihg.com/rewardsclub
【IHGリワーズクラブ】が用意する会員ランクには平会員である「クラブ会員」から、「ゴールドエリート」、「プラチナエリート」そして最上級会員の「スパイアエリート」と4種類のランクがあります。最上級会員までの段階だけで考えると、ヒルトン・オナーズやハイアットのWorld of Hyattと同じようになっています。
それでは上級の会員ランクになるためにはどのような要件を満たす必要があるのでしょうか。
IHGリワーズクラブの場合は、上級会員になるために宿泊数かポイント数かの選択が可能です。
ポイントの付与は1ドルごとに5ポイントとあります。したがって1ドル=112円(2018年12月18日現在)で計算してみると、ゴールド会員には約22万4000円、プラチナエリート会員には89万6000円、スパイアエリート会員には168万円となります。最上級会員になるために必要なポイント数・宿泊数ともにかなり多く、ホテル修行としては高めの難易度となります(ポイントの面ではハイアットのグローバリストよりは少し簡単で、宿泊数でいうとマリオット+SPGのプラチナプレミアエリートに相当)

ホテル選びの幅広さ?

HG(インターコンチネンタルホテルグループ)には、全部で13種類のホテルがあります。これらのうち日本でも著名なのが【インターコンチネンタル Intercontinental】や【クラウンプラザ CrownPlaza】あるいは【ホリデイイン Holyday Inn】あたりでしょうか。また最近オープンの【インディゴ Indigo】や【キンプトンKimpton】などの新しい種類のホテルもあり、ますます魅力的なホテルチェーンとして頭角を表しています。

出典:https://www.ihg.com/content/jp/ja/about/brands#scmisc=nav_brands_6c

では日本のIHGのホテルラインナップはどのようになっているのでしょうか。

日本のIHGホテルラインナップ

<北海道・東北地方>

  • ANAクラウンプラザ稚内
  • ANAクラウンプラザ千歳
  • ANAクラウンプラザ釧路
  • ANAクラウンプラザ札幌
  • ホリデイインすすきの
  • ホリデイイン仙台

<関東甲信越地方>

  • ANAインターコンチネンタル東京
  • ストリングスホテル東京インターコンチネンタル
  • インターコンチネンタル東京ベイ
  • 横浜グランドインターコンチネンタル
  • インターコンチネンタル横浜Pier8
  • キンプトン東京
  • インディゴ箱根
  • ANAクラウンプラザ成田
  • ANAクラウンプラザ新潟

<中部・北陸地方>

  • ANAクラウンプラザ グランコート名古屋
  • ANAクラウンプラザ富山
  • ANAクラウンプラザ金沢
  • ホリデイイン金沢スカイ

<関西地方>

  • インターコンチネンタル大阪
  • ANAクラウンプラザ京都
  • ANAクラウンプラザ大阪
  • ANAクラウンプラザ神戸
  • ホリデイイン難波

<中国・四国地方>

  • ANAクラウンプラザ岡山
  • ANAクラウンプラザ広島
  • ANAクラウンプラザ宇部
  • ANAクラウンプラザ米子
  • 松山全日空ホテル

<九州地方>

  • インターコンチネンタル別府
  • ANAクラウンプラザ福岡
  • ANAクラウンプラザ長崎
  • ANAクラウンプラザ熊本
  • ANAホリデイイン・リゾート宮崎

<沖縄地方>

  • ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート
  • ANAインターコンチネンタル石垣
  • ANAクラウンプラザ沖縄

一見してわかるようにANAとついているホテルが多くあります。これはかつての全日空ホテルがIHGと提携してリブランドされたものであり、ANAユーザーに対する特別料金の提供などもこのような関係から行なっているようです。

インターコンチネンタルは全国に9件(東京3・横浜2・大阪1・九州1・沖縄2)ありますが、ミドルクラスホテルに位置づけられる【クラウンプラザ】やカジュアルホテルである【ホリデイイン】を合わせると北海道から沖縄まで全国で37件もあり、かなりの規模となっています。

これらのうち【インターコンチネンタル】は最上級のホテルブランドに位置付けられています。しかし私の個人的な感覚で他のホテルチェーンなどと比較すると、マンダリンオリエンタルやリッツカールトンといった超高級ホテルとまではいかないけれど、アッパーミドルクラスホテルよりは頭一つ抜けている、そんな特異な位置ではないかと思っています。

会員特典で何が得られるのか?

それでは会員になった場合の特典はどのようになっているのでしょうか。ひとつひとつ見てまいりましょう。

クラブ会員(平会員)特典

クラブ会員で得られる特典は以下の通りです。

  • 会員専用料金(YOUR RATE)
  • 会員専用のカスタマーサービス番号
  • 利用除外日なしの無料宿泊特典
  • 無料のインターネットアクセス

全体的な内容をみてみると、ほぼその他のホテルチェーンの展開するロイヤルティプログラムと同じといっていいでしょう。なお無料宿泊特典を利用した宿泊でもエリートステータスに向けた宿泊数がカウントされるのも特徴です。

ゴールドエリート会員特典

平会員であるクラブ会員の特典内容に加えて、ゴールドエリート会員には以下のような特典が付与されます。

  • レイトチェックアウト
  • 優先チェックイン
  • 基本ポイントに10%のボーナスポイント
  • ポイントの有効期限解除

レイトチェックアウトはこの段階から付与されています。内容の水準としてはマリオット+SPGに最も近いでしょう。この段階で特典内容が充実している(客室アップグレードあり)ヒルトンやハイアットと比べると、やや物足りない内容ではあります。

プラチナエリート会員特典

クラブ会員・ゴールド会員の特典内容に加えて、プラチナエリート会員には以下のような特典が付与されます。

  • 客室アップグレード
  • 客室保証
  • 基本ポイントに50%のボーナスポイント
  • エリート繰越宿泊

この段階で客室アップグレードが得られます。しかし同じくらいの会員水準では、ヒルトンが提供するような無料の朝食やハイアットが提供するラウンジアクセス(年4回)などに比べて、やはり特典内容で劣っている印象があります。しかし72時間前までに予約すれば客室を保証してもらえるというのは、他のプログラムだと最上級会員にのみ付与されるケースもあるなかで、この段階でこの特典を提供しているところは優れている点だと思います。

スパイアエリート会員特典

最上級会員であるスパイアエリート会員は、これまでのすべての会員の特典内容に加えて、以下のような特典が付与されます。

  • 基本ポイントに100%のボーナスポイント
  • ステータス獲得・更新時の特別特典(選択式)
  • ハーツGoldプラス・リワーズ Five Star® ステータスへの限定アップグレード

正直なところ最上級会員の内容としてはかなり乏しいものと感じてしまいます。もちろん裁量によって、レイトチェックアウトの時間や客室アップグレードのグレードに変化はつけられていると思われるので、一概にはいえませんが、明確な基準がないために目に見える優遇はあまり感じられません。

このようにして見てみると、必要宿泊数あるいはポイント数の割には見返りがかなり少ないプログラムだといえましょう。もちろんANAと提携しておりマイル獲得を同時並行で行う方やIHGのホテルにかなり強いこだわりのある方には良い内容なのかもしれませんが、個人的には積極的に修行を行いたいとは思えませんでした。

しかしIHGはインターコンチネンタルを含めて魅力的なホテルが充実していることも事実。それらのホテルの宿泊を大変な修行なしにかなりアップグレードできる方法があります。

それがインターコンチネンタルアンバサダープログラムです。2019年にはさらに内容が充実した同プログラムはかなり魅力的な特典内容となっています。このプログラムの存在がIHGリワーズの価値を高めていると言っても過言ではないかもしれません。次にその2019年以降のプログラム改善を踏まえた内容をご紹介してまいります。

インターコンチネンタルアンバサダープログラムとは

インターコンチネンタルアンバサダープログラムによって得られる優待内容は次のようなものです。

  • 確実にワンランク上の客室にアップグレード
  • 午後4時までのレイトチェックアウト
  • ウィークエンド無料宿泊券
  • IHGプラチナエリートの付与(従来はゴールドエリート)
  • 20USドル相当のレストラン・バー優待
  • 中国のインターコンチネンタルで毎日の朝食無料
  • 中国のインターコンチネンタルのレストラン・バーで15%割引

これらの中でまず特筆すべきなのは「確実な」客室アップグレードでしょう。内容としてはワンランク上のカテゴリーの客室へのアップグレードなので、例えば他のホテルチェーンが提供するような「最低ランクの部屋からスイートへ」といった劇的なアップグレードはできません。しかしこの「確実に」という点は重要です。なにしろ客室の予約され取れれば、あとは確実に予約した部屋よりも良い部屋に泊まれるわけですから。それではワンランク上の客室が満室の場合はどうなるのか…?その場合には補償があり、ホテルによって柔軟な対応をしてくれます。ちなみに私の場合は、無料朝食をつけてもらったり、飲食クレジットをもらったりしたことがあります。

午後4時までのレイトチェックアウトも嬉しい優待内容だと思います。なにしろこの特典は他のホテルチェーンでいえば、上級会員にならなければ得られない場合が多いのです。私のよく利用するハイアットでも最上級のグローバリスト(年間60泊か230万円近くの利用でようやく得られる)でなければこの資格は得られません。

さらにIHGプラチナエリートが付与されるということで、例えば国内のクラウンプラザホテルなどに宿泊しても客室アップグレード・レイトチェックアウト・50%のボーナスポイントなどが付与されます。また特に中国に出張や旅行をされる方はレストランや朝食などのベネフィットがあり、さらに充実した内容となっていることも注目しておきたいところです。

結論:アンバサダーになってIHGプラチナエリートを手に入れよう

さてこのように検討を重ねてきて、個人的には、IHGとの付き合い方は、純粋に修行をしようとするのではなくて、インターコンチネンタルアンバサダーに入会するのみで十分ではないかと思います。

というのも現状では最上級会員であるスパイアエリートの特典内容があまりにも乏しく、高いお金をかけてまで修行をするほどではないと思うからです。他方でインターコンチネンタルアンバサダーは充実した特典内容に加えて、現状IHGが提供するなかで優れていると思われる特典をほとんどカバーできてしまうようになっています。

インターコンチネンタルアンバサダー入会は以下のURLから可能です。

https://www.ihg.com/intercontinental/content/jp/ja/ambassador

なおインターコンチネンタルアンバサダーには、ラウンジアクセスや無料の朝食提供を含む最大限の充実を誇るロイヤルアンバサダーというものがあります。こちらは招待制でなることができる会員種別であり、その要件は公開されていません。噂では純粋な修行を積んでスパイアエリートになって、なおかつアンバサダー会員であることが重要であるとのことです。こちらの会員ランクはそのメンバー数の少なさから言って、ステータス度はかなり高いものと言えるでしょう。インターコンチネンタルを含むIHGのホテルがお好きな方はこちらの獲得に挑戦してみるのもいいかもしれません。

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