CATEGORY

ハイアット

2022年11月 パークハイアットオークランド宿泊記 Park Hyatt Auckland

夜の10時近くなってそろそろ搭乗のアナウンスが流れる頃。想像よりもはるかに短い時間で出国の手続きを終えた私は、夜の空港のターミナルでハーブティを飲んでいました。本当はコーヒーでも飲みたい気分だったのだけれど、夜間飛行とカフェインはどこか私のなかで相容れないものがありました。 それにしても寂しいターミナルです。夜の空港には独特の疲れたような雰囲気が漂うものですが、これは昨今の社会情勢の反映でもあるの […]

2022年5月 パークハイアット東京宿泊記 プレジデンシャルスイート

脱力感のある音楽を聴きながら、私の車は新宿の摩天楼に吸い寄せられていきました。何度来ても未知の場所に迷い込んでしまったかのようなホテルの玄関。ダイアモンドのような天窓とシルバーの彫刻に迎えられて、私は今日もこのホテルにチェックイン。パークハイアット東京。私が世界で最も好きなホテルの最も特別な部屋で今日は短い休暇を過ごすことにしましょう。 長い長い廊下を通って、緑の床のエレベーターで51階まで。突き […]

2022年3月 パークハイアット東京宿泊記 ガバナーズスイート

ときどき無気力になる日があります。毎日はそれなりに忙しなく過ごしているはずなのに、なぜか退屈に思えてしまう。出会いと別れ。花が開き、芽吹きだすこの季節は、私たちの心の中にある微細な感性も目を覚ますようです。以前であれば、もっと新しい刺激に対する感性を強く持ったものですが、最近はなんだか鈍くなってしまったような気がしています。それはなんだか寝起きが悪くて、いつまでもすっきりしないままに過ごしているよ […]

2022年2月 パークハイアット京都宿泊記 二寧坂ハウス

春の気配を強く感じるようになってきた3月。私の心は再び京都・東山に向けられていました。もう滞在から1ヶ月。長いような短いような。記憶を振り返り、いまをみつめるとき、私はときどきその言葉が脳裏に浮かんできます。その渦中にいるときには延々と続くように思える退屈な時間。しかし過ぎ去ってしまうと、なにも残っていないように思えてきて、密度は薄く、あっという間だったと思える。そんなあいまいな1ヶ月。この間、コ […]

2022年1月グランドハイアット東京宿泊記・行く当てのないふたり、屋根の上の庭へ

首都高速は今日も決まっていたかのように渋滞。諦めにも似たような表情を浮かべた人たちの車列のなかで、私もハンドルを握っていました。些細なことですれ違い、ああまたか、そう話し合っているうちに元に戻る不思議な関係。はじめて彼女に出会った頃の、純粋で、時に苦しく、時に甘い、あの激烈な感情が推移して、お互いが穏やかにいることこそが幸せと感じるようになったのはいつでしょうか。いつのまにか敬語で話す関係ではなく […]

2022年パークハイアット東京宿泊記・情熱のジャズが響く年越しのニューヨークバーと静かな初日の出と

なんだか季節感のない2021年でした。春の穏やかな日の裏にはどこか気忙しい思いが介在していたし、夏に心を焦がすこともなく過ぎて、愁いの枯れた秋には例年になく寂しさが強かったし、ようやく落ち着くと見えた冬になっても時は師走の候。相変わらず海外に行くこともできず、自分の思う通りになったこともそれほど多くはない。ただ毎日をなんとなくやり過ごしてきてしまったような思いが今更ながら込み上げてきます。しかしそ […]

グランドハイアット東京宿泊記 2021年11月 イルミネーションは遠目に眺めて

唐突にビル・エヴァンスのSunday at the Village Vanguardをかけようと、車のオーディオ装置を動かそうとして、ふと手を止めました。いや、なんとなく今日は違うんだ。突然ぱっと花開くようなGloria’s stepのキラキラした気分を首都高速の渋滞に乗せたくない。しかし悩んでいるうちに結局ホテルにたどり着いてしまいました。バレーパーキングのスタッフに名前を聞かれない […]

パークハイアット京都宿泊記2021・夏、京都、また私たちは暑さを味わいにいく

出逢ってから、ひとつの季節に1回の割合でここに泊まってるね。そんな会話を交わしたことを憶えています。そう、私たちが、京都で最も好きなホテルはどこかと聞かれたら、必ずやここの名前を挙げるでしょう。パークハイアット京都。高台寺の横のゆるやかな坂を車で走り抜けてエントランスに向かっていくアプローチは何度通っても心ときめくものです。 顔馴染みのスタッフが「おかえりなさいませ」と出迎えてくれるあたたかさ。前 […]

ハイアットリージェンシー那覇宿泊記2021・蒸し暑い夜と朝をシンプルで明るいこのホテルで

なんかボタニカルガーデンでも眺めているみたいだね…そう言ったか言わなかったか。ぼんやりとした初夏の暑さを感じながら、午後に家を出て、那覇空港からタクシーでホテルに着いたときには、雲間に見える薄黄色の空とじとっと重たい湿気。荷物をベルスタッフに預けて、エアコンがキリッと効いたホテルのロビーの窓には水滴がついて、気温と湿度の高さを端的に表しているようでした。 亜熱帯の沖縄。その特徴的な植生を生かした天 […]

あの日も私たちはオークドアに来て、そして今日も。

東京の六本木にあるグランドハイアットの6階には、いくつもの個性的なレストランがあり、とりわけグリルレストランのオークドアはトニー・チーのダイナミックなデザインが際立ち、どこか日常を抜け出すような雰囲気が漂っています。重なり合う正六角形の真ん中にあたたかい色合いの照明が配された巨大なライトの下には、モノクロームの美しいコンテンポラリーな内装の空間が広がっています。 私はパートナーとこの席で今日もテン […]