ホテルインディゴ箱根強羅宿泊記【プレミアスイート】〜緑の映える軽快なブティックホテル

  • 2020年3月14日
  • IHG
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東京から程近い行楽地として内外に広く知られる、日光、軽井沢、そして箱根。これら3つの場所に共通するのは、数多くの素敵な旅館と共に、著名なクラシックホテルが存在することです。金谷ホテル・万平ホテル・富士屋ホテルはそれぞれすでに創業から100年以上を数え、中には明治時代から引き継がれた意匠が残されているところもあり、日本におけるホテルの歴史の流れを直接肌で感じることができます。

この国に古来からある湯治の文化や、ホテルとは別の文脈に位置づけられてきた旅館に対して、これらのホテルが開業したときのインパクトは少なからぬものがあったのではないでしょうか。

箱根には富士屋ホテル以外にも、その時代ごとの宿泊体験にインパクトをもたらしたであろうホテルや旅館も数多くあります。塔ノ沢地区や芦ノ湯地区などの昔ながらの旅館。著名な建築家が参加して複合型のリゾートを作ろうとした小涌園やプリンスホテル。外資系ホテルならではの洗練された体験を実現しようとした「ハイアットリージェンシー箱根」、あるいはラグジュアリーで上質なオーベルジュとして名高い「ザ・ひらまつ仙石原」…他にも数えきれない魅力的なホテルがありますが、いずれにしても、この地は日本における温泉リゾートの試金石のような場所にも思えます。

時代は2020年。古来からの温泉場の風情を持ちながらも、進取の気性を持ったここ箱根に新星のごとく現れたのがIHG系列の新しいホテルである「ホテルインディゴ箱根強羅」です。日本では主に都市部でアッパーミドルな高級ホテルを数多く運営しているIHGですが、そのブティックホテルブランドである「インディゴ」の日本第1号ホテルとしての開業となりました。

日本ではほぼ都市部を中心に展開しているブティックホテルという世界観をもって、居並ぶ高級ホテルや旅館あるいは個性的な宿泊施設に殴り込みをかける形となった、インディゴ箱根強羅。今回はその新しい体験がどのようなものであったのかについてリポートしてまいりましょう。

チェックイン

箱根に行くならドライブしたい。

鉄道好きの私からすると小田急ロマンスカーや箱根登山鉄道なども魅力的なのですが、愛車を走らせて、東京の都会の景色から遷移して、海沿いの湘南を抜けて、程よいワインディングロードを満喫できる山道に至るという変化に富んだドライブは、かぎりなく気分が高揚するものです。

オーソドックスに国道1号線を登ってみてもいいし、景色すぐれる芦ノ湖の方を回り道してもいい。あるいは御殿場から乙女峠を抜けてくるのもいい。強羅はちょうど箱根の山の要衝となっていて、様々な道へと接続しています。なお箱根登山鉄道の強羅駅から降りていった宮城野地区の早川沿いに今回の滞在先であるインディゴ箱根強羅はあります。

ホテル周辺は少し狭い道になっていて、エントランスもかなり小さなものになっています。特にバレーパーキングサービスなどはなく、ホテルの目の前にあるスペースに自分で駐車します。ちなみに私が行ったときにはベルスタッフは常駐していませんでした。

なお2020年3月現在、小田原駅西口からシャトルバスも出ているようです。

エントランスには古民家の扉を再加工して使っているという個性的な自動ドア。また寄木細工に登山電車の写真を組み合わせた柱や火山岩を組み合わせたエレベーターの壁など、個性的な意匠が施されていました。ただ個人的な感想を言えば、思ったよりは、おとなしい雰囲気だと思いました。

チェックインは囲炉裏や古い日本家屋の柱が設けられたこちらのカウンターで座って行います。スタッフはかなりカジュアルなユニフォームが印象的で、非常にフレンドリーでした。ハイアットタッチともまた少し違った、丁寧だけれど、ほどよい気楽さも感じられて好印象です。

特にIHGの会員としての特典については説明がありませんでした。今回はもともとスタンダードな客室を予約していたのですが、運が良かったのか、このホテルの最上階に位置する「プレミアスイート」へとアップグレードされました。

木製のカードキーに箱根名物の寄木細工をあしらった千代紙のようなケース。このようなところにもホテルの個性を演出しているあたりが、いかにもブティックホテルらしいところだと思います。チェックインを担当してくれたスタッフにエスコートされて客室まで向かいます。

ホテル全体に広がっている雰囲気はとにかく軽快で明るい。間接照明も煌々としているし、ところどころにデジタルサイネージがあり、箱根らしい映像が流されていました。高級感や上質感とは違いますが、かといって、いわゆるバジェットホテルのような軽さとも違うのが面白いところです。

このあたりのバランス感覚は個人的には優れていて好きです。しかしゆったりとくつろぎたい方や上質な雰囲気を求めてくる方の場合には、この雰囲気はあまり良く受け止められないかもしれません。

プレミアスイート

そもそも4階建てのホテルなので、さほどひらけた展望は期待できるわけではないのですが、プレミアスイートは最上階に位置している客室です。

こちらの客室はひとつの大きな空間にリビング機能とベッドとバス機能が集約されています。そもそもスイートといえば、それぞれの空間が仕切られていることが原則ではないか、という疑問もあります。しかしそうした小さなひとつひとつの常識を覆すところが、ブティックホテルの面白さなのかもしれません。

機能がすべて集約されていることで便利だし、気のおけない人との旅であれば、これはこれで快適に過ごすことができるでしょう。おそらくそうした親密な人との滞在が念頭に置かれているホテルなのだと思われます。全体のデザインも明るく、ロマンティックな雰囲気には乏しいのですが、逆にいえば、この明るさのおかげで心地よい安心感が実現している面もあると思います。また仮にひとりで滞在する場合であっても、このような明るさは個人的には好ましいと思います(山の中でも寂しくならないので)。

ベッドサイドに水墨画調の絵と麻の葉文様のウッドパネル。またソファに接して配置されているデスクは金具付き箪笥のようなデザインで古民家を連想させられます。こうした日本であって日本でないような不思議なデザインはこのホテルの全体に貫徹されたひとつのモティーフです。

古の日本を感じさせるような行燈風のランプに、木の床に直接置かれるようになっているマットレス。こちらの客室のベッドもまた非常にこのホテルらしい個性が光ります。ちなみのこちらの布団風ベッドですが、低反発で寝心地はよく、また枕の高さや柔らかさも個人的には非常に相性がよかったため、心地よく快眠できました。

部屋の一角には「ばぁ」と書かれた、不思議な木製のオブジェがかけられているところがあります。コンプリメンタリーのミネラルウォーターに、南部鉄器で入れる紅茶(TWG)や緑茶、そしておなじみのネスプレッソも置いてあります。ちなみにこちらの「ばぁ」こと、ミニバーの冷蔵庫内の飲み物やスナックなどについては、通常のホテル同様に有料でした。

エントランスに近い位置にはウォークインクローゼットがあります。それなりに収容力があり、またスリッパやバスローブ、浴衣の他に、ウッドサンダルや木製のバッグなどがあり、このホテルの名物のひとつであるスパ施設に行くときに便利なようになっていました。

ちなみに(個人的には)残念ながらパジャマの用意はありませんでした。

バスルーム(客室内露天風呂)

おそらくこちらのインディゴ箱根を特徴づけていることのひとつに、すべての客室にプライベート温泉がついていることを挙げられるでしょう。特にこのホテルの前を流れる早川に面した「リバーサイド」タイプの客室には温泉露天風呂がついているのは、見逃せない魅力であるといえます。

ひとつの空間としての連続性はありますが、ベランダを含む石造りのウェットエリアは、障子で仕切ることができるようになっています。プレミアスイートの場合は、中央に温泉露天風呂への出入り口があり、その両側にベイシンがあるという作りになっています。ちなみにさらに左側にはトイレがあり、右側にはシャワーブースが設けられているため、それぞれの機能は分離していて、使い勝手は良いです。

ウェットエリアを個性的に仕上げることはブティックホテルにしばしばあることですが、こちらはかなりシンプルなものになっています。温泉露天風呂付きの宿泊施設はさほど珍しいものではないので、このあたりももう少しぶっ飛んだデザインになっていても良かったのではないかという気持ちもなくはないのですが、それは過剰な要求かもしれません。

ベランダに出ると、どしりとした温泉露天風呂があります。広さも十分にあり、泉質は無色透明で滑らかなもの。川の真横にあるために水の流れる音が聞こえてきます。水量が多いためか、小川のせせらぎのような癒される音ではなく、割とダイナミックな音なのは好き嫌いが分かれるかもしれません。

ベランダの奥にはリラックスチェアがあり、湯上りにバスローブを来て、涼んだりするのもまた気持ちの良いものです。

なお、温泉露天風呂からの眺望は、リバービューといいますが、期待したほどではないというのが正直なところです。目の前の早川は、生活に根ざして人工的に手が加わっているという印象が強く、対岸にはバスの車庫や民家などもあるために、あまり自然の景観を楽しめるというものではありません。また同様の理由から入浴の時には、自動で開閉する簾を下ろして利用する必要があります。

屋内のバスルームはありませんが、シャワーブースは広さも十分にあり、レインシャワーとハンドシャワー、そして木製の椅子も設置されているために満足度の高いものだと思います。水圧も十分にあることも評価したいところです。

寄木細工のティッシュボックスは箱根らしさを感じさせるアイテムだと思います。またボディバーはウッディな香りのするもので、これも山の中の森に囲まれたこのホテルのイメージともよく合っているように思いました。

バスアメニティは「Biology」で統一されています。香りはボディバーと同様に爽やかなウッディ系の香りで使用感は可もなく不可もなくという印象。ちなみにホテルで良く見るようなスモールボトルでの提供ではなく、375mlの大きなボトルで設置されていました。

インディゴ箱根を楽しむ

チェックインして部屋で少し落ち着いたら、是非ともこの新しいスタイルの箱根のホテルをあれこれと満喫するために部屋の外に出てみることにしましょう。ちなみに強羅とはいえ、ホテルインディゴ箱根強羅の周辺には特にめぼしい観光スポットがあるわけではありません。車などで移動すれば、それなりに面白そうな場所はありますが、私はホテルでゆっくりと過ごすことを念頭に置いていました。

まずはIHG特典でついてきたウエルカムドリンクをいただきに、フロントに隣接しているこのホテル唯一のレストラン&バーである「RIVERSIDE」に行きます。入り口付近には寄木細工や南部鉄器を売っているコーナーがあり、モダンな食器の数々をみていくのも楽しいものです。

レストラン&バー「RIVERSIDE」は、レストランエリアとバーラウンジエリアに分かれています。ちなみにこのホテルのインテリアで特に私が面白いと思ったのが、このラウンジ部分です。亀甲型と麻の葉文様を組み合わせた寄木細工の天井に、ビビットカラーを抵抗なく大胆に使ったカーペット、浮世絵のような壁画…ジャポニズムの世界観のように、日本であって日本ではないものがうまくひとつのものとして成立してしまう空間。

客室のインテリアは抑制的な気がしましたが、それだけさらに、ブティックホテルらしいラディカルさを垣間見ることができて嬉しかったのです。

ちなみにレストランエリアはこのようにモダンで斬新な雰囲気がありながらも、基本的には落ち着いた雰囲気。日本の他のホテルになぞらえると、ハイアットセントリック銀座東京に最も近いような気がしました。スタッフのゲストとの距離感なども似ている気がします。

ウエルカムドリンクとしてもらったのはパイナップルジュース。他にもスパークリングワインやビール、あるいはオレンジジュースなども選べます。飲み物自体にはこれといった創意工夫は見られませんでしたが、ストローが木で出来ているのがちょっと面白いと思いました。

スパ施設・足湯・フィットネスがけっこう個性的

温泉地にあるホテルにおいて温浴施設の充実が大切であることは言うまでもありません。こちらインディゴ箱根の客室のバスルームにはすべて温泉が引かれていますが、大浴場や足湯などの設備もあり、このホテルのひとつの特徴として売り出しているようです。

フロントやレストランがある建物と客室やスパ施設などのある建物の間には、ちょっとした中庭があり、早川に面した部分がこのような展望足湯コーナーとなっています。手前側にはしっかりとハンドタオルが用意されており、川の流れや山の稜線を眺めながら、ゆったりしたり、談笑できたりするようになっています。

なお景観については、客室のところでも述べたように、あまり自然のダイナミクスに触れられるようなものではありません。しかし山から降りてくる風を感じたり、山肌に見える木々の色の移ろいなどを眺めながらゆったりとした時間を過ごすことができるのは嬉しいものだと思います。

フィットネス施設はホテルのサイズ感からすれば妥当ですが、必要最小限の内容にとどまっています。ちなみに奥の鮮やかな壁は、デジタルサイネージが施されているため、かなり明るいです。

スパ施設については残念ながら写真を掲載することはできませんが、鮮やかに色とりどりのイルミネーションが光る個性的な空間でした。日本の大浴場をイメージからすると不思議な気がしますが、水着を着用する必要があり(貸し出しもあります)、どちらかというとプールに近いかと思います。バブルバスやサウナなども完備されており、刺激的な温泉体験ができるようになっていました。

こちらのスパ施設にいくならば、朝(といっても9:00まで入ることができませんでしたが)や昼の時間帯も悪くありませんが、圧倒的に夜がその個性的な雰囲気を味わえて楽しいと思います。

なお今回は予約できなかったために受けるチャンスを逃しましたが、スパトリートメントはタイのブランドである「HARNN」が手掛けるものでした。もし機会があれば再訪したときに受けてみたいものです。

ディナーはグリル料理をアラカルトで

温浴体験をしているうちにすっかり日もくれて、いよいよディナーの時間。夕食は客室でルームサービスを取ることもできますが、さほど種類もなく、せっかくはじめて来たホテルであれば、やはりそのホテルの特徴的なダイニングで食事をしたいと思うところです。

そこで先ほどと同じ「RIVERSIDE」に行きました。今度はレストランエリア。オープンキッチンスタイルに薪オーブンが置かれていて、火の粉のパチパチとした音が聞こえ、ほのかに木の燃える匂いを感じます。なお今回は事前にコースを予約したりはしていなかったので、アラカルトで適当に注文することにしました。

先ほどの薪オーブンで表面に少し火を入れたサワーブレッド、そして黒トリュフと岩塩を練り込んだ柔らかいバターが最初に出てきます。

かりっとした外側にはほのかに木と炭火の香りがあり、内側はもっちりとしたサワーブレッドは、酸味が抑えられて、僅かな甘い余韻の残る優しい味わい。アクセントを添える黒トリュフのバターは豊かな香りでサワーブレッドの美味しさを引き出します。

オーダーしたミックスグリル。薪オーブンでじっくりと焼いた、ラムチョップ・ポークソーセージ・エゾシカ・ストリップロインにこんがりと焼かれた茄子が一皿に載せられて出てきます。それぞれの肉の旨味はしっかり濃縮されていますが、特にエゾシカは、シンプルに岩塩をつけるだけでも素材の醸し出す滋味深さを堪能できます。またレモンペッパーソースやポルトレーゼソースなどをつけても美味しい。

デザートはシナモンの風味を効かせたバニラアイスを挟んだ、アップルアップサイドダウンケーキ。軽やかな味わいでミックスグリルの重たさを甘美な結末へと導いていきます。最後にスペアミントティで爽やかに仕上げて、ディナータイムは終了。

やや辛い見方をすれば、このレストランはアラカルトメニューの品目が少なく、その点に対してはやや不満が残っています。周辺にはあまり食事をするところもないために、このホテルですべての食事をするというゲストは少なくないはず。それにもかかわらず、食事のバリエーションが多くないというのは残念です。もっともこれは、薪オーブンを活用するというコンセプトは面白いし、料理の質もそれなりに高いと思うだけに、このような見方をしてしまうのかもしれません。

いずれにしても、個人的には、美味しく、満足のいく夕食を取ることができました。

明るい雰囲気の部屋で過ごす静かな夜

食事を終えて、客室に戻ることにしましょう。

ちょっとだけエントランスの外に出てみたら、あたりは真っ暗。ホテルの入り口にぽつんと置いてある人力車がこのホテルらしいロマンを演出しているように思えました。

足湯のある中庭の真ん中には、焚き火があり、ここで寛ぐこともできるようになっていました。この日は少し冷え込んでいたので、私は足早に部屋に戻ることにしましたが、もう少し暖かくなってきたときなどは、ここに腰掛けて箱根の風を感じるのも気持ち良いかもしれません。

山の中のリゾートで過ごす夜というと、どこか物寂しくなってしまう瞬間があるものですが、このホテルの雰囲気は客室に至るまで全体に明るいために、そうした気分からは自由でした。このような空間を実現できていることはブティックホテルの面目躍如というところでしょうか。

手桶に入ったアメニティを広げて、客室に併設された温泉露天風呂に入ることにしましょう。誰の目も気にすることなく、滑らかな湯を愉しむひととき。止まることのない早川の水の流れも聞こえます。

体もぽかぽかと温まり、冷やしておいた富士ミネラルウォーターを飲み干すと、なんとなく体は心地よい疲れを覚えます。そのままだらけた気持ちのままにベッドに入ると、気付いたらゆったりとした睡眠の中にいました。

朝食はセットメニューでした

朝早く目覚めると、少しだけホテル周辺を散歩してみました。早川に沿って少し上流の方へ。周辺の住民の方とも挨拶とちょっとした会話を交わし、寝ぼけた体が目覚めたところで朝食に戻ってきました。

再び「RIVERSIDE」にやってきました。朝食はセットメニューでの用意でしたが、パンについては、薪オーブンの近くにいくつかの種類が並んでおり、好きなものを選んで、それをスタッフが焼いてくれるというサービスを行っていました。ちなみに私は洋梨やチョコのペストリーをいただきました。

卵料理も選ぶことができて、今回いただいたエッグベネディクトをはじめ、オムレツや目玉焼きなど、おなじみの内容が揃っています。なお味わいは極めてオーソドックスなもの。またサラダやコールドカットなどの種類は特筆すべきものはありませんが、綺麗な盛り付けで、しかも分量も的確だったように思いました。

コーヒーを飲んでほっと一息。フルーツとヨーグルトを取って、最後にミネラルウォーターで終えてから客室に戻ります。

チェックアウト

客室で朝から昼にかけて少しゆっくりとしたらこのホテルをチェックアウトしました。

実を言うと、今回は箱根にできる新しいIHG系のホテルということで、かなり高い期待をもって滞在しました。結果的にはその期待通りだったところもあれば、思ったほどではなかったところもあります。ホテル全体のもつ軽快さや明るさについては、いかにもブティックホテルを感じさせられて、楽しい気持ちになりました。他方でレストランの料理の種類やサービス面でのやや物足りなさを感じるところもありました。

あまり類似性で語ることは良くないとは思うのですが、ホテル全体の雰囲気のみならず、良い面も悪い面も、ハイアットセントリック銀座東京が開業したばかりのときに似ているように思いました。しばらく前に「セントリック銀座」に宿泊したときには、そうした物足りなさはうまい具合に解消されて、かなり素敵なホテルに成長したという実感を得ました。こちらのホテルもまだ開業から2ヶ月も経過していないということで、今後の方向性を探っているところなのかもしれません。スタッフが全体的に感じのよい方が多かったこともここの強みだと思われます。

同じくIHG系列の「インディゴ」ブランドは、2021年に愛知県の犬山に、そしてIHGのブティックホテルブランドである「キンプトン」もまもなく東京新宿に開業が予定されています。それらの祖型ともいえるこちらの「ホテルインディゴ箱根強羅」…今後の展開を含めて注視したいホテルだと言えましょう。

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