ハイアットリージェンシー東京宿泊記〜マニアックな部屋・ビューデラックスコーナーキング

World of Hyattで50,000ポイント貯めると、特典として無料宿泊1泊分がもらえます。このアワードの対象はカテゴリー4までのハイアット系列のホテルなのですが、東京周辺だと2019年現在のところ、わずかに2件しかありません。ひとつは浦安の最新の「ハイアットプレイス」で、もうひとつは日本のハイアットでは最古参となる新宿の「ハイアットリージェンシー東京」です。

この無料宿泊の有効期限が11月に迫っているということで、これを使わなければなりません。

近隣の海外となると台北や釜山なども候補に入ってくるし、他にも福岡や大阪などでも利用可能です。しかし今回はあまり遠出は難しいということで、久々に「ハイアットリージェンシー」に滞在しようということになりました。

チェックイン

以前にもこのホテルについてはリポートしたことがありましたが、そのときは「ビューデラックスキング」という、しばらく前にリニューアルされた客室のタイプでした。今回は無料宿泊での利用だったので、特に客室アップグレードなどは期待していませんでしたが、とりあえずチェックインに向かいます。

ほとんどの日本のハイアットはモダンなホテルが多いので、ロビーエリアのこの荘厳な雰囲気はちょっと異質に思えてきます。しかしよくよく考えてみると、ここまで絢爛豪華にシャンデリアが映えるアトリウムがロビーとなっているとホテルというのも珍しいかもしれません。

いつきても、上を見上げて、この雰囲気にはっとさせられます。なおこのロビー階でチェックインをすることも可能ですが、グローバリスト会員であれば、10階のリージェンシークラブでも手続きを行えます。

エレベーターもどしりとした重みのあるインテリア。「コン」という甲高い音と共にドアが開閉するのも、少し古めかしさを感じさせながら、80年代のホテルに特有の雰囲気を伝えます。ちなみにアトリウムに面している側のエレベーターはシースルーとなっていて、窓からシャンデリアが見え、さらに10階以上になると西新宿の街並みが一望できるようになっています。

チェックインの手続きを済ませると、今回は混雑しているようで、「クラブルームは用意できませんでした…」との回答。そして「ビューデラックスですがツインか、もしくは特殊なビューデラックスで、改装されていないキングタイプの部屋ならご用意できますが…」とのオファーがありました。

通常であれば、改装されたビューデラックスの方が快適に過ごせると思うので、そちらを選ぶところでしょう。しかし私は「特殊な部屋」と聞くと、むしろ興味が出てきてしまいます。ましてやこの最古参のハイアットで改装がされていない部屋ならばなおさらのこと、どうなっているのか気になりました。

ビューデラックスコーナーキング

今回は荷物も対してなかったので、エスコートも特になく、客室まで向かいました。階数は忘れてしまいましたが、20階以上の高層階がアサインされました。

部屋の扉を開けると、すぐ左手にはバスルームがあるのですが、いきなりソファとデスクがどんと置いてあり、やや圧迫感があります。なんだかこれは既視感があるのですが、とりあえず奥まで進みます。

するとこのように細長い区画になっていて、窓が手前側と奥に二面あります。手前側にはこのようにテーブルと椅子が置かれて、窓の外に新宿中央公園が見えるようになっています。どうやらカーペットや椅子の生地などは最近張り替えられたようで綺麗になっているのですが、薄ら明るいフロアランプなどがやはり古めかしさを感じさせます。

またダークブラウンが家具の色合いの基調になっているところも、部屋の雰囲気をよく言えば、高級に、悪く言えば重くさせています。改装された部屋の場合は、もう少しライトな感じに仕上がっていて、いかにもハイアットらしさを感じさせられるのですが、この部屋からは「いかにもハイアット」という感じは伝わってきません。

奥に進むとベッドルーム。ベッドメイクの仕方がハイアットらしく清潔感を全面に押し出していくスタイルです。なお奥の椅子とオットマンも生地は新しいものですが、造形が古めかしさを感じさせます。全体的にはベッドだけ今のハイアットらしさを感じさせつつ、その他は一世代前のまま取り残されてしまったという、二面性のある客室だと思います。ちなみにベッドはやや固めで悪くはないのですが、枕が小さく寝心地はさほどよくはないです。

バスルームも前時代的です

引き返して、バスルームの雰囲気についても触れておきましょう。

バスルームはベイシン・トイレ・バスタブ・シャワーがすべて一体となった、昔ながらのユニットバスです。最新の「ハイアットプレイス」は価格帯やカテゴリーも同一水準にもかかわらず(リージェンシーよりも安い場合も多い)、バスルームは独立式であることを考えると、もはやこの設備は、少なくとも日本のハイアットでは最低の部類に入るでしょう。

同じくバスタブ。メンテナンス状態がいいのか、シャワーカーテンからよくない匂いがするようなことはありません。また清潔に保たれているという印象は受けます。しかしどうしても、特に最近のハイアットのクオリティを考えると、低い評価を付けざるをえません。

アメニティ一式はハイアットリージェンシーの標準的なラインナップが揃えられていました。バスアメニティやローションなどのブランドが「PHARMACOPIA」のまま変わっていませんが、香りは違うものになっているようです。このあたりは浦安の「ハイアットプレイス 」でも同じでしたね。

総合評価

ハイアットリージェンシー東京は以前からスタッフのサービス水準はなかなか高いレベルにあると思っていました。ただし客室については、特に今回の部屋については、辛口の評価を付けざるをえません。コーナールームということで期待はありましたが、客室の快適性はさほど高くありません。また客室全体に感じられる厚ぼったい雰囲気が、良い意味での高級感にはうまく結びついておらず、なんだか気だるい印象を与えているようでした。

さてこのような客室ですが、これが仮にある程度の安いレートであれば、さほど文句はないと思います。実際に私は今回は無料宿泊だったために特に嫌な思いはありませんでした。しかし稼働率がそれなりにあるためか、意外と強気なレートになっていることもあるこのホテルの価格帯を考えると、わざわざここを選ぶほどの価値があるかは疑問です。同じだけ出せば(あるいはもっと安く)、より新しく、より快適な客室を提供しているホテルは見つかるはずで…どうしても西新宿のミドルクラスホテルでなければダメ、とか、ハイアット修行をしている、などのゲスト以外には、この価格帯でこの客室の水準だと勝負できないように思えました。

またフィットネス施設も古くなっており、プールも狭く、また特に男性用のロッカールームの施設の水準の低さもまたマイナス要因ではあります。せっかくスタッフには恵まれているので、うまくレートが折り合い、また客室も「改装後」か「クラブルーム以上」であれば一考の価値はあると思います(しかしクラブルーム以上だと、やや新宿から離れるものの、グランドハイアット東京なども考えてもいいかもしれません)。

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