高級ホテルとクルーズ?スモールラグジュアリー?〜ハイアットの最近の動向について

ハイアット系列はもともと、その他のホテルチェーンに比べて、ホテルの絶対数がかなり少ないのです。圧倒的なホテルのバリエーションを誇るマリオット、中心となるミドルクラスホテルが牽引して世界的に大規模な展開をしているインターコンチネンタルやヒルトンなどに比べると、随分とさびしいものです。

洗練された雰囲気や「ハイアット・タッチ」と呼ばれるホスピタリティを売りにしていて、またロイヤルティプログラムであるWorld of Hyattは、最上級会員になるのはなかなか大変だけれど、柔軟な修行が可能となっているのも特徴です。具体的には、宿泊数の他に、ポイントの獲得数によっても上級会員になることができることは大きなメリットといえましょう。そのポイントの対象には、宿泊の他にも、食事やスパの利用なども含まれているので、うまくライフスタイルにホテル修行を取り込むことができるのです。

しかしそれでもホテルの絶対数ではかなり劣っているため、最近では各種の提携によって、それをカバーしようとしているようです。今回はその最近の提携の動きについてリポートしてまいります。

スモールラグジュアリーホテルズとの提携拡大

このページでも以前にSLH(スモールラグジュアリーホテルズ)との提携についてリポートしたのですが、その後さらに規模が拡大しているようです。提携の内容については以前の記事をご覧ください。

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おそらく数日前にハイアットがSLHとの追加の提携を発表したようですが、国内だと新たに奈良の「登大路ホテル」がラインナップに加わっています。これまで奈良には外資系ホテルチェーンの選択肢はなかったので、これは朗報といえましょう(とはいえ来年にはJWマリオットの開業が決まっており、競合しそうですが)。また「登大路ホテル」以外の国内のSLHのラインナップは以下の通り(2019年10月現在)です。

日本国内のHyatt+SLHのラインナップ

  • カサラ・ニセコ・ビレッジ・タウンハウス(北海道)
  • 東京ステーションホテル(東京)
  • ホテル雅叙園(東京)
  • ENSO ANGO FUYAⅱ(京都)
  • 登大路ホテル(奈良)

まだ5件ですが、それでも提携開始時点では0件だったことを考えると、選択肢が増えて嬉しいという印象が個人的にはあります。またどのホテルも個性的なものであり、特に個人的には東京ステーションホテルや登大路ホテルはハイアット修行と無関係でも滞在への興味をかき立てられるところです。

ちなみに近隣諸国に目を向けると台湾の宜蘭にある「The WALDEN」や香港の「Lanson Place hotel」あるいはソウルの「28明洞ホテル」も最近提携がはじまったようです。韓国は「アンダーズソウル」の開業や近年予定されている「グランドハイアット済州」などで勢いづいていますが、明洞の中心に泊まるという選択肢ができたことはハイアット修行をする人にとっては特に朗報でしょう。というのも、アンダーズソウルはまずまずとしても、ソウル市内のハイアット系列のホテルはどこも空港や中心街からのアクセスがさほどよくなかったので…

2019年10月現在では日本国内には全部で10件のSLHのホテルがありますが、半分がハイアットと提携したことになります。個人的には残る伊豆の「ABBA Resort」や沖縄の「テラスクラブ・アット・ブセナ」などが提携されたらかなり嬉しいと思うところです。そしてこれはあくまで妄想の世界なのですが、もしさらにハイアットが他のブランドとの提携を模索するなかで、リーディングホテルズ(日本だとパレスホテル東京・帝国ホテル東京・ホテルオークラ東京・ハレクラニ沖縄)と手を組んでくれたりしないものかな、と思います。

クルーズ船「リンドブラッド」との提携開始

こちらはSLHとの提携ほどのインパクトはないかもしれませんが、ハイアット修行の個性をより押し広げてくれるニュースだと思いました。リンドブラッド(Lindblad Expeditions)はニューヨークを本拠地とするクルーズ会社で、北極圏などの大自然を体験することを目的としたクルーズに特化しているようです。

リンドブラッドとハイアットの提携による特典は以下のようなものです。

リンドブラッドとの提携による特典

  • 1USドルにつき5ベースポイントの獲得
  • 上級会員はステータスに応じたボーナスポイント
  • 船での滞在を上級会員獲得の必要宿泊数としてカウント
  • ハイアットポイントをクルーズ旅行に交換可能
  • 1予約ごとに250USドル分の船内クレジット

上級会員だから客室(この場合、船室の方が適切でしょうか?)のアップグレードがある、というわけではありませんが、少なくともハイアット修行にはなるようです。またクルーズとなると宿泊数もそれなりのものになりますから、一気に何泊分も上級会員獲得のための日数を稼げるのはかなり魅力的と言えましょう。また250USドル分のクレジットもなかなか嬉しいものです。

さて肝心のクルーズの行先ですが、基本的にはアメリカ・ヨーロッパ・カリブ海が中心となっています。また日数も最低でも5日間〜となっています。その5日間のクルーズはロサンゼルスを出航して、カリフォルニア沿岸の島をめぐる内容となっていて、2990USドル(186875World of Hyattポイント)〜乗船可能です。ちなみに船は「National Geographic Venture」という船で、最新の設備を備えていて快適そうです。

また最も日本から近いところではベトナムとカンボジアのクルーズがあります。これは海ではなくメコン川をひたすら登っていくもののようです。途中のめぼしい寄港地としてはホーチミン(サイゴン)やプノンペン、シェムリアップ(アンコール遺跡)などがあります。

こちらは15日間の中期間クルーズとなっており、価格も少なくとも11760USドルからと、日本円にして100万円を超えてしまいます。つまりこの1回の航行でポイントでのグローバリスト修行の半分以上を終えてしまえる計算になるのですが、時間的な余裕も必要なため、かなり利用者を限定することになるでしょう。しかしこちらのメコン川のクルーズも船自体は「Jahan」という高級ホテルに匹敵する快適性をもった船であり、少なくとも一度はこのような旅もしてみたいものだと思います。

このようなクルーズ船との提携の背景には、おそらく高級ホテルチェーンが「次の一手」を打ち始めたことと関係しているような気がします。知られるようにフォーシーズンズが「エクスプローラー」を、またリッツカールトンも「ヨットコレクション」を運行することが決定しているなかで、ハイアットもこうした流れに遅れを取らないようにしているというところでしょう。リッツカールトンやフォーシーズンズに比べると、設備面では多少劣る場合もあるかもしれませんが、選択肢がそれなりに幅広いというところが、リンドブラッドの特徴といえるかもしれません。

まもなく2件のパークハイアットが日本国内にオープンし、また来年以降も中小規模でのホテル開業も控えていますが、提携なども含めた今後の展開が楽しみになってきました。その他のホテルチェーンとの関係の中でどのような立ち位置を取っていくのか、このページでは引き続き追い続けてみたいと思います。

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