先日台北に行ってきたのですが、SPG+マリオット系列のデザイナーズホテルであるW台北(W Taipei)に宿泊してきました。
今回はホテルステイ自体を楽しむというほどの時間はなかったのですが、それでもなるほどハイアット修行者からみると、隣の芝生は青い(SPG+マリオットうらやましい)という気分にさせられるような目の覚めるホテル体験でした。
なにしろエントランスからしてこの雰囲気ですからね。もしかしてどこかのクラブに迷い込んだのかと思うような前衛的な空間デザインがされていました。
ホテルの評価と情報
ホテル全体に共通する世界観の作り方や、”Whatever/whenever”という理念に表現されるような自由な雰囲気などは非常に完成度の高いものだと思いました。アクセスも地下鉄の駅やバスターミナルからも近く良好です。ホスピテリティの面もリクエストベースではあるものの、フランクかつ親身な対応をしていただけたように思います。
ただし万人受けするホテルではありません。ホテルのロビーは夜でも騒々しいほどにロックミュージックやクラブミュージックがガンガンかかっており(客室の防音はしっかりしているので睡眠にはまったく影響ありませんでしたが)、スタッフの対応も恭しいというよりはざっくばらんな印象です。このあたりの世界観を新鮮なものとして受け入れられる方であれば、刺激的で楽しい滞在になると思います。しかしもし落ち着きとか高級感のようなものを求められている場合であれば、台北には同じ価格帯で優れたホテルがいくつもありますので、そちらを選ばれるとよいでしょう。
レストラン
W台北のレストランとバーは次のようになっています。
- The Kitchen Table:インターナショナル料理・ブッフェ
- YEN:中国料理
数としてはそれほどは多くないかもしれません。今回の滞在ではレストランやバーは利用しなかったので、もし読者の方で行かれた方がいらっしゃったら是非とも感想などをお聞かせいただけたら幸いです。
アクセスのよさ
今回は送迎車を個人的に仕立てたので空港からの直接のアクセスはしなかったのですが、台北のふたつの空港から直接のシャトルサービスは現在のところはないようです。
ただしMRT板南線の「市政府」駅から徒歩1分くらいのところに位置しているので、市内各地への移動はかなり楽だと思います。
客室編
今回宿泊したのはスタンダードタイプの「ファビュラスルーム」と言われる部屋でした。ロビーラウンジの雰囲気から考えると落ち着きのある雰囲気。とはいえそこかしこにエッジの効いた空間づくりが実に面白い部屋でした。
フロントのあるフロアから、ギラギラしたエレベーターに乗って客室のあるフロアまで向かいます。流れている音楽もテクノなどアップテンポなもので高揚感をかきたてられます。
エレベーターホールを降りるとこのような雰囲気です。
思いのほか落ち着いています。カーペットがどことなくオリエンタルな雰囲気で、ほどよく台北らしさを演出しているようです。
客室に入ると、まず右手に光っている壁…この向こう側がバスルームです。そして左側はクローゼットになっていました。ウッドパネルにミラー。その向こう側がこの光る壁というのはインパクトがありました。
奥に進んでベッドルームです。ホテル全体の雰囲気からすれば落ち着いています。しかし客室全体までの広い窓にデイベッド、そしてツルツルの白い壁などはかなり前衛的な印象を与えるものです。
こちらがデイベッド。台北の街並みが見下ろせて大変開放的です。
部屋によっては台北101側に位置しているものもあり、そちらの景色も発展著しい台北の信義地区のエネルギーを感じられるのではないかと思いました。
すっきりと整えられたベッドです。やや小さめではあるものの、寝心地も柔らかくかなりよいものでした。
ベッドサイドには必要なものがすっきりと整えられています。ターンダウン後にはここにナイトキャップやミネラルウォーターが用意されます。電話もかなりシンプルで、客室係やフロントといった連絡先が分けられているのではなく、客室の担当がWhatever/wheneverにサービスを提供するようになっています。
ケトルやアイスストッカーなどもインテリアに溶け込むスタイリッシュなデザイン。無料の紅茶はTWGが数種類用意されています。
バスルーム編
続いてバスルームを見ていきます。
W台北のベッドルーム周辺が、前衛的ながら比較的落ち着いた雰囲気を残しているのに対して、バスルームはかなり派手でこのホテルらしいインテリアだと思います。
客室入り口右手の光る壁の内側はこのようになっています。大理石の床にLEDの間接照明が反映しています。バスタブには大理石の給湯口から直接お湯が注がれるようになっており、奥の木の壁は可動式でベッドルーム方面に開くこともできます。
木の壁を閉じた状態のバスタブです。手前にある大きめの木の椅子は、シャワーを浴びるときにも利用できて便利です。
手前側は独立式のトイレ。最新式のウォシュレットが備え付けられていて快適です。
トイレの横には独立したシャワーブースがあります。鮮烈な黄緑色の壁と大理石のコントラストは高級感の中にもポップな印象を与えるものとなっています。水圧も申し分ないものです。
アメニティはBliss。私はこれまで使ったことがなかったブランドですが、レモンの香りが強いかなり爽やかな香りのものでした。シャンプーはややきしむ感じがしますが、コンディショナーがなかなか優れており、十分使用に堪えるものです。
アメニティボックスです。シャワーブースと同じ蛍光色で半透明の黄緑のケースにグルーミングセットがそれぞれ収められています。グラスも鮮やかな緑と赤でポップな印象。しかし安っぽさを感じさせないデザインで、かなりうまくデザインコーディネートがなされているなと感じました。なお右側にあるミネラルウォーターは無料ですが、左側のエヴィアンは有料でした。
まとめ
台北の信義地区にはまだ競合するホテルがさほどないのかもしれませんが、とにかく個性の光るホテルでした。クリエイティブ系のイベントも頻繁にこちらで開催されるとのことで、流行の先端を行くような人たちの感性に響く雰囲気を持っているように思います。
好き嫌いはかなりはっきり分かれると思いますが、駅からのアクセスやショッピングの利便性なども高く、この雰囲気が好きであれば、間違いなく台北でトップレベルの快適さと刺激的な体験ができるホテルだと思います。