2022年1月グランドハイアット東京宿泊記・行く当てのないふたり、屋根の上の庭へ
首都高速は今日も決まっていたかのように渋滞。諦めにも似たような表情を浮かべた人たちの車列のなかで、私もハンドルを握っていました。些細なことですれ違い、ああまたか、そう話し合っているうちに元に戻る不思議な関係。はじめて彼女に出会った頃の、純粋で、時に苦しく、時に甘い、あの激烈な感情が推移して、お互いが穏やかにいることこそが幸せと感じるようになったのはいつでしょうか。いつのまにか敬語で話す関係ではなく […]
首都高速は今日も決まっていたかのように渋滞。諦めにも似たような表情を浮かべた人たちの車列のなかで、私もハンドルを握っていました。些細なことですれ違い、ああまたか、そう話し合っているうちに元に戻る不思議な関係。はじめて彼女に出会った頃の、純粋で、時に苦しく、時に甘い、あの激烈な感情が推移して、お互いが穏やかにいることこそが幸せと感じるようになったのはいつでしょうか。いつのまにか敬語で話す関係ではなく […]
東京の乾いた冬のなかで過ごし続けていると、春のあたたかさを待つような心境になってくるものです。私は冬という季節が好きだし、時が早く過ぎていってほしいとも思わないのですが、ふとなんだか、あのあたたかい陽射しが恋しい気持ちになっていたある日のこと、どういうわけか日本庭園のあるホテルに泊まりたくなり、高輪にあるザ・プリンスさくらタワーを予約したのでした。いや、そうした春待つ心境は、じつはこじつけで、ホテ […]
なんだか季節感のない2021年でした。春の穏やかな日の裏にはどこか気忙しい思いが介在していたし、夏に心を焦がすこともなく過ぎて、愁いの枯れた秋には例年になく寂しさが強かったし、ようやく落ち着くと見えた冬になっても時は師走の候。相変わらず海外に行くこともできず、自分の思う通りになったこともそれほど多くはない。ただ毎日をなんとなくやり過ごしてきてしまったような思いが今更ながら込み上げてきます。しかしそ […]
これまでがそうだったように、今年もあっという間に時間が流れて、早くも年末となりました。いや、思い返してみると、じつに色々なことがあって、例年よりも1年間が早かったような気もしてきます。忘れてしまいたいこともありますし、忘れてしまったこともありますが、多くの出会いや人との交流に支えられた年でもあります。出会いという意味ではホテルも同じ。新規開業や未踏のホテルをいくつか訪ねることもできたし、慣れ親しん […]
乾いた風が吹き抜けるまだ陽が昇りきらない東京の冬の早朝。吐息の白さに寒さを感じながら車のエンジンをかけます。前日に簡単な点検とタイヤ交換を済ませたばかりの我が車。今日はいつになく気が引き締まります。久々のロングドライブ。東京から約500kmの伊勢志摩へ向かいます。途中でパートナーを拾って東名高速を西へ西へ。朝日に輝く富士山に寝ぼけ眼もいよいよ醒めてきました。静岡を超えて、伊勢湾岸道路の工業地帯を進 […]
大阪は今日も晴れ。東京の冬に吹いてくるからっ風とは少し違う湿度を帯びた風が雲を遠くへと流していくような日。妹と弟を連れて成田空港から飛行機で関西空港へ降り立ち、南海電車の急行電車で難波駅へと向かっていました。たまには3人で大阪に行こう。そういう何気ないきっかけ。せっかくだったら大阪らしさのつまったホテルに泊まろうとW大阪を予約したのでした。 弟の仕事が終わるのに合わせて成田空港で待ち合わせ。もろも […]
木々が美しい紅に染まる軽井沢を友人と訪ねたのはもう何年前のことだろう…雲場池を取り囲む別荘地の落ち着きから、さらに浅間山方面の名前も知らない高原を散策したときに、それはまさに絶景という言葉がふさわしい美しさであり、2週間後くらいに今度はひとりで軽井沢を訪ねてしまったほどでした。しかしそのときには、もう紅葉はほとんど終わり、人もまばらだったことに加え、ひとりで滞在したこともあってとても切ない気持ちに […]
唐突にビル・エヴァンスのSunday at the Village Vanguardをかけようと、車のオーディオ装置を動かそうとして、ふと手を止めました。いや、なんとなく今日は違うんだ。突然ぱっと花開くようなGloria’s stepのキラキラした気分を首都高速の渋滞に乗せたくない。しかし悩んでいるうちに結局ホテルにたどり着いてしまいました。バレーパーキングのスタッフに名前を聞かれない […]
ある日の昼、今日は大きな会議があるようで随分と混み合っているホテルのロビー。紀尾井町のホテルニューオータニ。オールデイダイニングのSATSUKIでパートナーと待ち合わせて昼食を取っていました。お互いに午後の仕事前のランチタイム。八穀米に合わせた豆乳ベースに薬膳の入った少し辛めのルゥをかけた新東京カレー。悩ましいことは尽きないけれども、束の間の息抜きのひととき。 今日は僕は横浜に泊まることにするよ。 […]
しばらく諸々うまくいかなくて、気持ちばかりが焦って、ついに心が安定しない日が続く。毎年の秋はやはり私にとって「愁い」の季節なんだなと思いながら過ごしていました。その「愁い」の季節のちょうど中間点くらいに私の誕生日があります。パートナーとはここのところ小さなすれ違いが多くなってしまっていたのですが、誕生日は一緒に過ごすことを決めていました。そして前々からずっと一緒に行きたいと話していたアマン東京を予 […]