横浜のみなとみらいにある【ヨコハマグランドインターコンチネンタル】は、独自の外観から同地区のランドマークであるとともに、ソフト・ハードの両面で横浜で最も卓越したホテルのひとつだと思っています。また個人的には家族との思い出から、私をホテルステイ好きへと導いたホテルのひとつでもあります。
さて、これまで主にハイアットを中心とした他のホテルチェーンに関心が向いていたこともあり見落としていたのですが、インターコンチネンタルホテルには年会費200USドルでなることができる「アンバサダープログラム」というものがあります。今回ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルに泊まるにあたり、このプログラムに魅力を感じ、当日に申し込むことになりました。
まずはこのプログラムの特徴から見ていきましょう。
インターコンチネンタルアンバサダープログラムとは
インターコンチネンタルはIHG(Intercontinental Hotels Group)といわれるイギリス系のホテルチェーンに所属しています。ロイヤルティプログラムとしては【IHG Rewards Club】を展開しており、特にANAユーザーに対する特典も多く、エアライン修行(SFC)とも並行してこちらのホテル修行をされている方も多いかと思われます。
IHGとインターコンチネンタルの関係
まずはIHGホテルにはどのような種類があるのかに触れつつ、そのなかでインターコンチネンタルはどういった位置づけなのかを整理しましょう。
出典:https://www.ihg.com/content/jp/ja/about/brands#scmisc=nav_brands_6c
IHG(インターコンチネンタルホテルグループ)には、全部で13種類のホテルがあります。これらのうち日本でも著名なのが【インターコンチネンタル(Intercontinental)】や【クラウンプラザ(CrownPlaza)】あるいは【ホリデイイン(Holyday Inn)】あたりでしょうか。また2019年には箱根に【インディゴ(Indigo)】もオープンする予定となっており注目を集めています。
では日本のIHGのホテルラインナップはどのようになっているのでしょうか。
日本のIHGホテルラインナップ
<北海道・東北地方>
- ANAクラウンプラザ稚内
- ANAクラウンプラザ千歳
- ANAクラウンプラザ釧路
- ANAクラウンプラザ札幌
- ホリデイインすすきの
- ホリデイイン仙台
<関東甲信越地方>
- ANAインターコンチネンタル東京
- ストリングスホテル東京インターコンチネンタル
- インターコンチネンタル東京ベイ
- 横浜グランドインターコンチネンタル
- ANAクラウンプラザ成田
- ANAクラウンプラザ新潟
<中部・北陸地方>
- ANAクラウンプラザ グランコート名古屋
- ANAクラウンプラザ富山
- ANAクラウンプラザ金沢
- ホリデイイン金沢スカイ
<関西地方>
- インターコンチネンタル大阪
- ANAクラウンプラザ京都
- ANAクラウンプラザ大阪
- ANAクラウンプラザ神戸
- ホリデイイン難波
<中国・四国地方>
- ANAクラウンプラザ岡山
- ANAクラウンプラザ広島
- ANAクラウンプラザ宇部
- ANAクラウンプラザ米子
- 松山全日空ホテル
<九州地方>
- ANAクラウンプラザ福岡
- ANAクラウンプラザ長崎
- ANAクラウンプラザ熊本
- ANAホリデイイン・リゾート宮崎
<沖縄地方>
- ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート
- ANAインターコンチネンタル石垣
- ANAクラウンプラザ沖縄
一見してわかるようにANAとついているホテルが多くあります。これはかつての全日空ホテルがIHGと提携してリブランドされたものであり、ANAユーザーに対する特別料金の提供などもこのような関係から行なっているようです。
インターコンチネンタルは全国に7件(東京3・横浜1・大阪1・沖縄2)ありますが、それよりもミドルクラスホテルに位置づけられる【クラウンプラザ】やカジュアルホテルである【ホリデイイン】を合わせると北海道から沖縄まで全国で33件もあり、かなりの規模となっています。
これらのうち【インターコンチネンタル】は最上級のホテルブランドに位置付けられています。しかし私の個人的な感覚で他のホテルチェーンなどと比較すると、マンダリンオリエンタルやリッツカールトンといった超高級ホテルとまではいかないけれど、アッパーミドルクラスホテルよりは頭一つ抜けている、そんな特異な位置ではないかと思っています。
アッパーミドルクラスというと、ハイアットでいえば、ハイアットリージェンシー。あるいはヒルトンやシェラトンなど大規模なホテルチェーンの中核を担う役割を担っています。インターコンチネンタルもそれらのアッパーミドルクラスと価格帯としてはさほど変わらないか、少し高いくらいなのですが、より質の高いホテルが多いと感じます。また2013年に開業したインターコンチネンタル大阪に関しては、競合するリッツカールトンやコンラッド、セントレジスといったホテルに肩を並べられる水準のホテルに仕上がっているのではないかと思います。
インターコンチネンタルアンバサダープログラムとは、IHGの中で【インターコンチネンタル】だけで利用できる優待プログラムです。
次にどのような優待が得られるのかを見ていきましょう。
インターコンチネンタルアンバサダープログラムの優待内容まとめ
インターコンチネンタルアンバサダープログラムによって得られる優待内容をまとめると以下のようになります。
- 確実にワンランク上の客室にアップグレード
- スイーツ・スナック・フルーツの中から選べるウェルカムアイテムをひとつ
- 午後4時までのレイトチェックアウト
- ウェルカムギフト(ウェルカムアイテムとは別)
- ウィークエンド無料宿泊券
- 有料テレビプログラム1本無料
これらの中で特筆すべきなのは「確実な」客室アップグレードでしょう。内容としてはワンランク上のカテゴリーの客室へのアップグレードなので、例えば他のホテルチェーンが提供するような「最低ランクの部屋からスイートへ」といった劇的なアップグレードはできません。しかしこの「確実に」という点は重要です。なにしろ客室の予約され取れれば、あとは確実に予約した部屋よりも良い部屋に泊まれるわけですから。
それではワンランク上の客室が満室の場合はどうなるのか…?その場合にはコンペンセーション(補償)があり、ホテルによって柔軟な対応をしてくれます。
また二種類のウェルカムアメニティに加えて、午後4時までのレイトチェックアウトは大変ありがたい優待内容だと思います。なにしろこの特典は他のホテルチェーンでいえば、上級会員にならなければ得られない場合が多いのです。私のよく利用するハイアットでも最上級のグローバリスト(年間60泊か230万円近くの利用でようやく得られる)でなければこの資格は得られません。
これらの特典がわずか2万円で得られるというのですから、これは申し込まない手はないと思ったわけです。
※なお今回の記事では存在の指摘だけで内容には踏み込みませんが、アンバサダーの中でも招待制の【ロイヤルアンバサダー】というものもあり、なるための基準が曖昧ではありますが、さらなる特典を得られるものになっているとのことです。
ヨコハマ グランド インターコンチネンタル宿泊記
所用で横浜滞在となりまして、ホテル選びをしていたのですが、前回は横浜駅前のシェラトン泊だったこともあり、今回はみなとみらいに泊まろうということになりました。
2019年以降にはこのエリアには次々と新規ホテルの開業が予定されていますが、いまのところミドルクラス以上のホテルであれば、ランドマークタワーにある【横浜ロイヤルパークホテル】、クイーンズスクエア直結の【横浜ベイホテル東急】、そして最も横浜港寄りに今回宿泊【ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル】があります。
こちらがロビー。クリスマス前の飾り付けも華やかな雰囲気ですね。全体的に白系のインテリアや流水のあるリッチな空間配置は、バブル経済真っ只中に建てられたホテルらしさを感じられます。
またこのホテルの特徴は横浜で唯一のバレーパーキングをしてくれるところ。ベルデスクの方が大変親切かつフレンドリーでとても好感が持てます。車を預けてすぐさまチェックインに向かいます。
今回はクラブルームキングに宿泊するので、チェックインもラウンジにて…
ちょうどチェックインの時間帯には紅茶などと一緒にケーキやチョコレートなどがこのように並べられていました。ここで少し過ごしてから客室へ…そして通常のホテルステイとなるところでしたが、客室に入ってすぐさま【アンバサダープログラム】の案内を見つけました。そして内容を読んで即刻入会することになりました。
個人的には午後4時までのレイトチェックアウトにかなり惹かれました。なおここで部屋のアップグレードのオファーも頂きました。
クラブルームキングの予約だと「ジュニアスイート」か「和室スイート」へのアップグレードをしてもらえます。
しかし今回はパートナーの意向もあって、部屋は変更せずにクラブルームのままにしました。というわけで以下はクラブルームの紹介です。
ベッドルームはこのような雰囲気です。ホテル全体が客船をイメージしているのですが、この部屋にもそのインテリアコードは活かされています。
ウッディな雰囲気にロイヤルブルーがとてもよく映える、重厚感のなかに爽やかさのあるとても好ましい内装だと思います。
円形の鏡に使いやすいライティングデスク。ひとつひとつのアイテムに上質感があります。
玄関の扉にも舵を模したドアスコープ。そして白壁…インテリアコードが徹底されていて気分が高揚します。このあたりの世界観の作り方はさすがだと思います。
コーヒーメーカーもしっかり用意され、バスローブも申し分のない上質なもの。そしてシューシャインサービスもあります。
バスルームまわりは一昔前の仕様という感じです。ただ独立式のシャワーブースもあり、広々としているので使い心地は悪くなく、大理石調で高級感もあります。
このホテルの名物のひとつは、この綺麗なターコイズブルーのバスソルト。ホテル開業当時からこれは用意されていたと記憶しています(当時はシャンプーなどもホテルの形状を模したオリジナルのものを使っていました)。
アメニティ類はコンパクトにまとめられています。
シャンプー・コンディショナー・ボディージェル・ローションは、インターコンチネンタルグループ共通のアグラリア(AGRARIA)です。レモンヴァーベナの爽やかな香りです。
みなとみらいのホテルに宿泊すると、ベイサイドにするのか、それともシティサイドにするのかで景色(と値段)がけっこう変わってきます。【ヨコハマグランドインターコンチネンタル】の場合は、ベイサイドの部屋の方が¥1,000ほど高いレートが出ていることがほとんどです。
ベイサイドはベイブリッジを遠くにのぞみ、朝や夕方などはかなり美しい景色になるのでもちろん素晴らしいと思います。しかしこのように刻々と変化する観覧車の眺めや北仲エリアの夜景が綺麗なので、個人的にはこのシティサイドの眺めがかなり好きです。
こちらはアンバサダー特典のウェルカムフルーツとチョコレートです。
ちなみに今回はスイートルームへのアップグレードをしなかったので、その補償代わりにホテルオリジナルのチョコレートもつけてもらえました。クラブラウンジのスタッフの方々の対応もきわめて親切で好ましいものでした。
改めて思い返すと、今回インターコンチネンタルアンバサダー会員になったことの決定打はこのホテルのスタッフの方が総じて大変好ましい対応をしてくださったこと、そしてホテルのインテリアコードが魅力的だったことにあると思います。
まもなく横浜も激しいホテル同士の競争がはじまりそうな気配ですが、【ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル】はストーリー性も高く個性的なホテルですし、スタッフの対応のレベルも最高ランクといっていいでしょう。蓄積されてきた魅力を活かして、今後ともみなとみらいに独自の地位を占めてもらいたいと思うところです。