【ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄宿泊記2021】突然の沖縄ショートトリップ、恩納村の春の風を感じる

春の恩納村にはきっとあたたかい海風が吹き抜けているに違いない。三寒四温の東京で来月の生活リズムを考えていた我々は、ふと、海風を感じに遠くまで行きたくなっていたのでした。久々に飛行機のチケットを取って、ホテルとレンタカーを予約して、朝早く起きて…羽田空港での待ち合わせも久しぶり。4月になる直前に沖縄に1泊2日のショートトリップをすることにしたのでした。

目指すはハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄。

沖縄県中部の恩納村の海岸線沿いの小島全体がホテルとなっているハイアットのビーチリゾートです。我々が付き合ったばかりの頃、まだお互いに敬語で会話していたときにここを訪ねたのでした。

チェックイン

那覇空港に到着して、レンタカーを受け取って、国道58号線を北上します。途中の北谷でタコライスを食べるために休憩。思い出話を語り合いながら曇天の読谷村を抜けると、亜熱帯の植生が道路の両側に広がります。さらに進んで海沿いの道に出てからしばらくすると、今日の目的地に到着。東京周辺で言えば江ノ島のような磯伝いの道路には、このホテルのビーチハウスと本館を結ぶトゥクトゥクが走り抜けています。そこを通って、正面玄関に車をつけると、バレースタッフが車を預かってくれました。

名前を伝えるとすぐにスタッフは階上のリージェンシークラブラウンジに我々を案内してくれました。以前に訪ねたときよりもさらに伝達がスムーズで、とても心地よくチェックインの手続きに進むことが出来ました。トロピカルアイスティーと小菓子。窓の向こうには沖縄らしい赤瓦の屋根。空間に漂う明るい雰囲気も相まって、なんとも開放的な気分になります。

以前他のハイアットホテルで親切にしてくれたスタッフの方がここに移ってきていて、久々の再会ができたことも嬉しいものでした。少し早めの到着でしたが、もう部屋の準備も整っていました。

オーシャンコーナースイート

今回滞在するのはこのホテルのプレミアムスイートである「オーシャンコーナースイート」です。日本国内のハイアットであれば、スタンダードルームでも快適で素敵な部屋が多いと思っているのですが、最近はちょっと贅沢をすることにしています。

まず玄関部分があり、さらにもうひとつの扉を開くと、リビングルームになっています。良い意味で軽やかなインテリアは最近のハイアットリージェンシーらしいところだと思いますが、十分な広さがあり、快適にくつろぐことができると思います。オーシャンコーナーの名前の通り、角部屋となっていて、反対のベッドルームからは南向きにも窓があります。晴れていれば、リビングルームからもサンセットを眺められそうですが、今日はあいにくの曇天。

亜熱帯のビーチリゾートらしさを強く感じさせるシーリングファン。今日も少し蒸し暑さがあったので、我々も回すことにしました。湿った風がかき回されて肌に当たるようなこの感覚はけっこう好きです。

リビングルームの奥にはベッドルーム。手前側には簡易的なキッチンもついています。マリンブルーのインテリアだったリビングルームに対して、こちらはライトグリーン。いずれにしても軽やかな雰囲気があります。これは以前に滞在したときも感じたことですが、ラグジュアリーな雰囲気を求めるならば、ここより少し北に向かった「ハレクラニ」や「リッツカールトン」の方が良いかと思います。しかしこの気楽で開放的な雰囲気も決して悪くありません。このあたりはそのときの気分次第で好きな方を選ぶのが良いのでしょう。

ベッドはハイアットリージェンシーらしく低めでやや反発がある寝心地。このあたりも好き嫌いがあるでしょう。私は好きです。窓も多くて、海の眺めと共に目覚めることができるのもまた素晴らしいですね。

ウォークインクローゼットを通って奥にはビューバスタイプのウェットエリア。この部屋の象徴的な空間のひとつと言えると思います。夜ならず朝や昼にもバスソルトを入れて、窓を開けて、心地よい海風を感じながら入浴したくなります。手前側にはレインシャワー付きのシャワーブースがあります。またバスアメニティはハイアットリージェンシーで共通のファーマコピア。甘さと爽やかさのある瓜系の香りのような気がします。悪くはありませんが、個人的には以前のシトラス系の爽やかな香りがちょっと恋しくなります。

リビングルームのテーブルの上には沖縄の名菓「ちんすこう」などが用意されていました。我々は「雪塩ちんすこう」が好きですが、残念ながら、ここにはありません。さて、しばらく部屋で流れていく雲や海から吹く湿った風を感じながら、ゆっくり過ごすことにしましょう。

夕暮れから夜〜炉端焼き「シラカチ」でのディナー

段々と陽が傾いてきました。朝晩はまだやや冷え込む東京とは違って、ここは夕方になっても穏やかなあたたかさがあります。夕食の前に少しだけ散歩でもしようか…どちらからともなくそういう話になって、少しホテルのまわりを歩くことにしました。

海のすぐそばのプール。今日は断続的に雨が降ったり止んだりしていたのですが、ラッキーなことに、沈む夕陽をひととき眺めることができました。前にここに来たときは、お互いぎこちなかったことがなんだかおかしくて、前に座ったプールサイドのベンチに座りながら笑ってしまいました。

夕凪の波の音。背後からはプールを利用する親子の賑やかな声が聞こえていました。

今日のディナーはホテルの中の炉端焼き「シラカチ」で。ホテルの位置する「瀬良垣」をこの地方の言葉で読んだ和食の店で、炉端焼き以外にも、懐石料理と鉄板焼きと寿司があり、現地の食材を活用した料理が楽しめるようになっています。我々は鉄板焼きなども食べてみたかったのですが、訪ねた日に他が閉まっていて、こちらに予約を入れることにしたのでした。

以前ここに泊まったときにもここに来たのですが、和食の名店「かんだ」とのコラボレーションメニューがあり、パートナー共々とても美味しかった記憶がありました。今日は新しい内容ですが、炭火や藁焼きの香ばしさと共に運ばれてくる料理は美味しく、とても満足できるディナーとなりました。

前に来たときにここで撮った写真を見比べて、随分と雰囲気が変わったな、としみじみ。改めて日々を明るく過ごさせてくれる彼女に感謝です。

キューブを組み合わせたユニークなロビー。昼は常に人で賑わっていますが、夜はすっかり静かになります。しかしすっかり静かになっても切なさを感じないのはこのホテル全体に漂う明るい雰囲気ゆえでしょうか。

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そんなことを思い出しながら、ふと以前に書いたものを読み返したら、同じような感想を抱いていました。あのときはまだパートナーについては明かしていませんでしたね。いまとあのとき。思えばこれまでにも色々なことがありました。

部屋に戻ってバスタイム。星空は見えないけれど、心地よい空気を含んだ夜の海に静かに波の音が響きます。眼下のプールには深い青色のイルミネーションがキラキラと光り、対岸の空には遠くの街の灯りが反映していました。こうしてあっという間の一日が終わります。

朝から昼〜テラスでの朝食とサイクリングと

目が覚めて、窓を開けると潮騒と聞き慣れない鳥のさえずりが聞こえます。

なんとも心地よい朝です。この時間のためだけでも、このホテルにまた戻ってくる価値があるとさえ思えます。

ルームサービスで朝食をと考えていたのですが、なんだかんだで1階のオールデイダイニング「セラーレ」に行くことにしました。やや混雑していましたが、これは沖縄のある程度の規模のホテルであれば、仕方のないところでしょう。それだけ活気があるとも言えます。

穏やかな沖縄の春の朝。朝風は少し涼しいですが、気持ちがよいので、我々はテラス席で食事することにしました。ブッフェ形式で、内容もなかなか充実していました。前評判もあり気になっていた黒糖フレンチトーストは、表面が香ばしく、とろっとしたやわらかな食感でやはり美味しい。亜熱帯らしい鳥のさえずり(ときどき馴染みの鳩の声)を聞きながら、日差しもあたたかく、満ち足りた朝食を取ることが出来ました。

部屋に戻って少し休憩してから、天気も良いので、サイクリングをしようということになりました。もう少し暖かければマリンアクティビティをしてみたかった気もするのですが、今回はパス。ホテルから少し南にある万座毛まで自転車を漕いで行くことにしました。思えば、私はパートナーと出逢ってからというもの、よく外に出かけるようになりました。彼女は「日焼けなんか気にしないから一緒に外に行こう!」と言います。そういう開放的なところが彼女の数多い魅力のひとつだと私はいつも思います。

東京に戻る、その前に寄り道を

万座毛から帰ってきて、またしばらくホテルで過ごしていました。もう少ししたら東京に戻る。しかしその前にちょっとふたりで行きたいところがあり、バレーサービスで預けた車を出庫してもらいます。

ホテルから名護の方に北上して、小高い丘を登っていくと辿り着くラグジュアリーな空間。リッツ・カールトン沖縄に来ました。お互いの思い出を語り合う中で、いつかふたりで訪ねたいと話していた場所のひとつでした。お互いが出逢う前の切ない思い出。どうやら同じ年の同じ梅雨の時期に、このホテルのこの場所にある同じ椅子に座っていたのでした。まだその頃はお互いのことを知らなかったことを思うと不思議な気持ちになってきます。

さて、このホテルを訪ねた理由の大きなところは、大好きな沖縄そばを食べることでした。この日はラウンジで頂くことが出来たのですが、ここは私は初めて訪ねます。色々な定食メニューがあり、迷いましたが、パートナーはアーサそばを、私はもちろん沖縄そばをチョイス。三枚肉とソーキが入った満足の味。このホテルに対する切ない思い出も新しい記憶に上書きされていくような気がします。

やはりこちらリッツ・カールトンのラグジュアリーな雰囲気は素敵。今度はこっちにも滞在できたらいいね。そんなことを話しながら、レンタルしたオープンカーのルーフを開いて坂道を駆け降りていきます。日焼けも風も気にしない。沖縄の午後の風をいっぱい感じながら、少し周辺をドライブすることにしました。山道を超えて宜野座まで、彼女も少しだけ運転。ハイアットリージェンシーに戻る頃にはお互いすっかり髪型が変わっていました。

いよいよチェックアウト。馴染みのスタッフが見送ってくれました。短い滞在時間だったけれど、内容はとても濃かったと思います。ホテルステイをしていてよく思うことは、旅行は滞在時間の長さが全てではないということです。今回のように短い滞在時間であれば、その短さを逆に活かして楽しむことができるように思うのです。

空港まで国道58号線を南下。そのまま那覇まで行こうかと思いましたが、嘉手納の手前で混雑が気になりだしたので、途中で高速道路経由に切り替えて向かうことにしました。最初にふたりで沖縄に来た帰り道、彼女は疲れていたのか眠っていたことを思い出しました。今日はずっとしゃべりながら、沖縄の風景は後ろへと遠ざかっていきます。

車を返却して那覇空港。パートナーはすっかり気に入ったコーレーグースをお土産に。そして、せっかくだからとご存知「ポーたま」も入手して、飛行機に乗り込みました。よくTwitterで見かけたこともあり、いつか食べてみたいと前に来たときにふたりで話していたものでした。夕暮れの沖縄の海と共に離陸して、夜間飛行で3時間弱、きらきらとした高層ビル群が見えてきました。東京に到着。

少し気怠さを抱えながら家路を辿ります。明るくて楽しい雰囲気のホテル。雲の多い空から垣間見えた柔らかい太陽の光。その下で彼女と共に過ごした時間を思い返す車内、再び沖縄を訪ねたい気持ちをいよいよ強くしていました。

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