【パークハイアット東京宿泊記2021】パークスイートに「ついに」泊まったのはなぜか?

パークハイアット東京のパークスイートに「ついに」泊まった…!

この意味についてはもう少し後で詳らかにしましょう。

最近ほんとうにブログを書く機会が減りました。ホテル自体に足を運ばないわけではないのですが、東京を離れることも少なかったし、新しいホテルを開拓するようなことも少なかった(ただしそのぶん美味しいものを食べに行こうという機運は高まっていたようにも思います)からです。

今日は雨の日。特に新しい発見はないかもしれないけれど、約1ヶ月前のパークハイアット東京の滞在を振り返ってみようと思います。

青空の綺麗な日でした。いつものようにバレーパーキングで車を預ける。

外はまだ冬の寒さを強く感じさせる風が吹いていて、緊急事態宣言下のためか、人のまったくいないピークラウンジの静けさが印象的でした。エレベーターで階上に向かい、何人かのスタッフに挨拶されながらチェックインに向かうアプローチ。いつになく静かなパークハイアット東京のいつものようなチェックインの光景。アンバランス、でした。

昼が近いにも関わらず、ジランドールにも人の気配がなく、静まりかえっていました。ただ装花だけが綺麗でした。

今日は部屋ではなく、コンシェルジュデスクでチェックイン。

スタッフから「今日もいつもの部屋にしましょうか?」という言葉。

私にとって、このホテルで「いつもの部屋」というと、パートナーと年越しを過ごしていたこの部屋のことです。角部屋になっていて、ビューバスもあり、ちょうど良い広さと開放感とPHT的洗練が味わえるこの空間。大好きな部屋です。

しかし今日は「たまには気分を変えて他の部屋もいいかもしれませんね。もちろん、ご迷惑でない範囲で空室があればで結構ですが…」

そのように語ると、スタッフは「スイートも空きはあるのですが、以前、そちらの部屋が落ち着かないと仰られておりましたので、あえてご案内を避けておりました」と…しかし、結果からいえば、この日、以前に「落ち着かない」といったその部屋に通してもらうことになりました。

何を隠そうそれがパークスイートでした。パークハイアットのスタンダードスイートで、回遊性を持たせた広い空間に、落ち着いた雰囲気のリビングルームとバスルーム、そしてベッドルームがそれぞれあります。特にリビングルームにはゆったりとしたソファが配され、それとは別にダイニングテーブルもあり、人を招いてちょっと談笑したりするにもちょうど良いと思います。

さて、私が以前に「落ち着かない」と言ったのは、どの要素だったのか。それはベッドルームにあります。

ベッドサイドに大きな照明があり、もちろんこの部屋の象徴的なアイテムとなっています。言わずと知れたイサム・ノグチによる「AKARI」という作品。これが以前滞在したときに個人的になんだか落ち着かないと思ったのでした。もう少し小さければ気にならず、実際に、スタンダードルームに置いてあるベッドサイドライトについては気にならず、部屋の雰囲気によく合っていてセンスの高さを感じるばかりでした。

しかしパークスイートのこれは大きすぎて落ち着かない…(あくまでも個人的な感想ですが)

以前ひとりで滞在したときに、これは寝るときに気になってしまいそうだな、、と思って、スタッフにスタンダードルームに変えてもらったことがあったのでした。それ以来、私が案内される部屋は、特に指定しないかぎり、先述の「いつもの部屋」になっていたのでした。もう何年も前のことなのに、部屋タイプの好みを方角まで含めてしっかりと記録して、なるべくその部屋を用意しようとする姿勢には驚かされます。このホテルのホスピタリティについて語ると、ついつい長くなってしまうので止めておきますが、いつも感動するとだけここでは言っておきたいと思います。

さて実際のところ、落ち着かないのは、あくまでもひとりで泊まるときであって、ふたりならばそんなに気にならないはず。もちろんビューデラックスも好きだけれど、今日はパートナーと合流することになっていたので、せっかくなので、この部屋に滞在することに決めたのでした。

この日はパートナーの家族と食事。そしてそのままホテルに滞在という流れでした。部屋に戻ってくると日差しは傾き始めていて、正月ほどではないにしても、まだまだ寒い冬なのだという実感をこの高層ビルの窓の向こうに広がる東京の街に読み取りました。ソファに座ってしばらくぼんやりします。このホテルにいると、ぼんやりしているときでさえも、なんだか特別な時間に感じられてくるように思うのです。

午後5時をまわって、夕焼け空の頃、我々はカクテルタイムに出かけます。いつもであれば、41階のピークバーで「トライライトタイム」を愉しむところですが、今日は閉まっているため、代替営業となっている52階のニューヨークバーにて。ここもこの日は閑散としていて、高い天井に響く音もジャズの音色ではありませんでした。

モクテルとスパークリングワインで乾杯。ここには外の音は聞こえてこないけれど、ちょうど眼下の道路は行き交う車のヘッドランプとテールランプが折り重なるように光り、億劫なラッシュアワーを想起させられます。オードブルが運ばれてくる頃にはすっかり話に花が咲き、なんだか穏やかな空気感。東の方角に見える景色もだんだんと暗くなっていき、対照的にビルの明かりがだんだんと明確になってきます。

ニューヨークバーはやはり夜が美しいですね。奏者のいないドラムセットとピアノ。歌手のいないマイク。その静けさや空白が都会的なメランコリーを誘いますが、きっといつもの賑わいを取り戻せるはずです。酔いと疲れを引き摺りながら今宵は部屋に戻って早く寝てしまいましょう…

と言いつつ、じつは私はこの日、うまく寝付けなかったのです。さらに悪いことには、どうしようもなく空腹になってしまいました。こうして私はミニバーからミックスナッツを取り出して、深夜におやつタイム。熟睡はできなかったものの浅い居眠りのままに日の出の時間になっていったのでした。ただし不思議と疲れはそれほどありませんでした。

ジランドールで朝食を取りたいところですが、こちらもこの日はクローズ。そこでインルームダイニングにてアラカルトでお気に入りのメニューを色々と注文しました。エッグベネディクト、フレンチトースト、そしてフレッシュマンゴーを。東京の冬は乾いた青空が多いように思うのですが、今日もまた雲ひとつない快晴でした。遠くには東京スカイツリー。部屋でゆったりと食事するのも決して悪くないものです。

この日はパートナーとふたりで部屋のテレビでドラマを見ていました。外にも出かけないし、プールやスパさえも行かない。そういう滞在があってもいい。落ち着かないと思っていた「AKARI」もこうして改めてみると、やはりこの部屋のインテリアに欠かせないものですね。そのまま夕方の16時くらいまで部屋でゆっくり過ごしました。

スタッフに感謝を伝えながらチェックアウト。パートナーとこのホテルの滞在を計画するとき、そしてこのホテルの魅力について語り合うとき、いつも些かの興奮と幸せを覚えます。今度はまた春先に…次の滞在を今日も思い描いています。

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