2022年5月 パークハイアット東京宿泊記 プレジデンシャルスイート
脱力感のある音楽を聴きながら、私の車は新宿の摩天楼に吸い寄せられていきました。何度来ても未知の場所に迷い込んでしまったかのようなホテルの玄関。ダイアモンドのような天窓とシルバーの彫刻に迎えられて、私は今日もこのホテルにチェックイン。パークハイアット東京。私が世界で最も好きなホテルの最も特別な部屋で今日は短い休暇を過ごすことにしましょう。 長い長い廊下を通って、緑の床のエレベーターで51階まで。突き […]
脱力感のある音楽を聴きながら、私の車は新宿の摩天楼に吸い寄せられていきました。何度来ても未知の場所に迷い込んでしまったかのようなホテルの玄関。ダイアモンドのような天窓とシルバーの彫刻に迎えられて、私は今日もこのホテルにチェックイン。パークハイアット東京。私が世界で最も好きなホテルの最も特別な部屋で今日は短い休暇を過ごすことにしましょう。 長い長い廊下を通って、緑の床のエレベーターで51階まで。突き […]
素晴らしい思い出がみんな蘇ってくるのです。 涙をさそうこともあるけれど。 あの頃と同じように。 もしあの頃に戻れるならば… 首都高速を抜けて、東名高速から小田原厚木道路を通って、箱根に向かう車のなかでCarpentersのYesterday Once Moreの一節が頭のなかに浮かんできました。美しい旋律にのびやかな声でしみじみとした曲が流れる今日は連休の最終日。青空の神奈川中部はどこかのどかで、 […]
春になるとどういうわけか瀬戸内海の景色を眺めにいきたくなります。しかしそれを実現できるかどうかは別でした。東京に住んでいる私にとって、物理的には近くても、気軽に旅をするには遠い場所。それゆえに九州や北海道以上に行く機会のない場所でした。 ぼんやりと数年前に広島を訪ねたときのことを思い出していました。少し切ない美しさを感じる夕凪の風があの日の街に吹き抜けていました。東京では味わうことのできないあの心 […]
喪失感。そう表現するのが最も適切でしょうか。実際にはもっとぼんやりとしてつかみどころのないような心境ではあるのですが、あえて言葉にするならばそれがもっとも適切のような気がします。思い返せばTwitterのアカウントをはじめたのはこのブログの記事を多くの人に読んでもらって、それを話の種にしてホテルについての話題を自由に交わし合えたら幸せだなという想いからでした。周囲にいる多くの人がTwitterのア […]
逢坂山を越えて京都駅に降り立つとほのかに構内からお香のような匂いを感じます。相変わらずごった返している巨大なターミナル駅には、朝に尋常ならざる緊張を抱えながら出かけていって、ようやく長い1日を終えた、やや満足げな安堵の表情の新入社員や学生のいくつもの表情がありました。私は重たい鞄をかかえたままで山陰本線のホームに向かいました。今朝までいた東京の電車とは明らかに異なる車内の雰囲気があることは、わずか […]
ときどき無気力になる日があります。毎日はそれなりに忙しなく過ごしているはずなのに、なぜか退屈に思えてしまう。出会いと別れ。花が開き、芽吹きだすこの季節は、私たちの心の中にある微細な感性も目を覚ますようです。以前であれば、もっと新しい刺激に対する感性を強く持ったものですが、最近はなんだか鈍くなってしまったような気がしています。それはなんだか寝起きが悪くて、いつまでもすっきりしないままに過ごしているよ […]
東京発の東海道新幹線の列車は滑るように名古屋駅に辿り着きました。事前に席を予約していたとはいえ、いつになく重たい荷物を抱えて、慣れないせいかやたら広大に思える駅の構内を小走りで、乗り継ぎの名鉄名古屋駅に向かいました。いつか泊まった名古屋マリオットアソシアの入り口を傍にみながら、客待ちのタクシーでごった返している名鉄百貨店横の階段を駆け下ります。大手私鉄の代表的なターミナル駅としては驚くほどコンパク […]
春の気配を強く感じるようになってきた3月。私の心は再び京都・東山に向けられていました。もう滞在から1ヶ月。長いような短いような。記憶を振り返り、いまをみつめるとき、私はときどきその言葉が脳裏に浮かんできます。その渦中にいるときには延々と続くように思える退屈な時間。しかし過ぎ去ってしまうと、なにも残っていないように思えてきて、密度は薄く、あっという間だったと思える。そんなあいまいな1ヶ月。この間、コ […]
2021年の春先くらいのことでした。このブログの最初期からの読者であり、Twitterなどを通じて交流のあるKENJIさんからClubhouseでホテルの魅力を語り合う配信をしませんか?というお誘いを受けました。もともとKENJIさんの素晴らしい写真と紡ぎ出される物語のファンであった私は、このお誘いをとても光栄に思いました。またお互いにかなりのホテルラバーということもあり、直接お会いしたときにもマ […]
まだ車も少ない東京の薄明には有明の月が見えていました。ぼんやりと白さがまして明るくなってくる時間帯には私たちは富士山のふもとを通過して、静岡県を西へ西へと進んでいました。この調子で走っていけば昼前には大阪につけそうだ。そんなことをぼんやりと考えながら、鈴鹿山脈を通過する頃には雪が降ってきました。カモシカがいるかもしれない。御在所山。聞いたことはあっても見たことのない地名を横目に新名神高速道路を進み […]