一休ダイヤモンドvsマリオット+SPGプラチナ特典の比較@横浜ベイシェラトン&タワーズ

今回は一休のダイヤモンド特典の価値について、ホテルチェーンの上級会員の特典と比べることで検証していきます。

さてご存知の方も多いかもしれませんが、大手予約サイトの「一休」にはホテルのロイヤルティプログラム同様に、上級会員制度が設けられています。それらのうち最上級会員であるダイヤモンド会員には6ヶ月間に30万円以上の利用でなることができます。6ヶ月に30万円というと、高級ホテルならば4〜5泊程度、ミドルクラスホテルであれば9〜10泊程度で到達することができるはずです。すなわち一般的なホテル修行と比べると、かなり簡単に最上級会員になることが可能なわけですが、それによって得られるメリットはどれくらいのものなのでしょうか。

これを明らかにするためには具体的なホテルのロイヤルティプログラムの特典と比較しつつ、一休の特質を検討することがわかりやすいと思います。そしてこのような検証をするにあたって、特典自体をただ単に並列させて比べてみるのもそれはそれで面白いのですが、せっかくであれば自分で泊まってみた体験を織り交ぜつつご紹介できたらと思います。そこで今回は横浜ベイシェラトン&タワーズに実際に宿泊して、この検証を行ってみました。

はじめに

さて、横浜ベイシェラトン&タワーズといえば、横浜の(現在のところ)唯一のスターウッド系列のホテルです。したがってマリオット+SPGの上級会員であれば、ステータスに応じた特典を受けられることになっています。しかし私はこちらの会員ではないために、一休から予約を入れて宿泊することにしました。ちなみに私は現在のところ一休のダイアモンド会員になっているのですが、横浜ベイシェラトン&タワーズでは次のような特典が用意されています。

  • お部屋の無料アップグレード ( チェックイン時の空き状況により)
  • アーリーチェックイン14時から ( チェックイン時の空き状況により)
  • レイトチェックアウト14時まで ( チェックイン時の空き状況により)
  • ウェルカムギフトとしてスカイラウンジ「ベイ・ビュー」(28F)の カバーチャージ(席料:通常1,000円)が無料
  • フィットネスクラブのご利用無料

こうした特典に合致するマリオット+SPGのステータスは、客室のアップグレードとアーリー&レイトチェックアウトが付いているところから、ゴールドエリートといったところでしょうか。

参考:マリオット+SPG「ゴールドエリート」の主な特典

出展:https://www.marriott.co.jp/loyalty/member-benefits/gold.mi

マリオット+SPGのゴールドエリートになるための要件としては、年間25日間の宿泊が必要でした。一休のダイヤモンド会員はなるのは比較的簡単なのですが、半年ごとに会員資格が見直されるので、1年間維持しようとすると60万円かかります。つまり(ちょっと大雑把な計算ですが)マリオット+SPGのゴールドエリートステータスを維持しようとするコストと同じくらいになるのではないかと思います。

ちなみに一休の最大の特徴としては、クーポンの利用や一休限定プランの利用などで、通常出ているレートよりも割安にホテルに宿泊することができる点にあります。実際に私が今回滞在した部屋(=シェラトンクラブツイン)についても、公式サイトの予約が¥31,668だったのに対して、¥26,000で泊まっていますので、6000円近く安く宿泊できた計算になります。

  • クーポンや限定プランの利用で、一休経由だとホテルを平均よりかなり安く利用できる。
  • 一休の最上級会員である「ダイヤモンド会員」は、マリオット+SPGのゴールド会員と同じくらいの投資額で獲得できる。
  • ホテルチェーンのロイヤルティプログラムは、そのチェーンを利用するかぎりにおいては確実に優遇される。
  • 一休ダイヤモンド会員の特典は良くも悪くもホテルによって異なる。

こうした差額をもってしても、なおマリオット+SPGの上級会員としてこのホテルに宿泊するメリットはあるのでしょうか?このあたりが今回の記事のキーポイントになるかと思います。以下、宿泊記を通じて検証してまいりましょう。

横浜ベイシェラトン&タワーズ宿泊記

今回予約した部屋はクラブツインの部屋でした。本当はキングベッドの部屋がよかったのですが、当日は混雑していたためにツインルームしか予約が取れなかったのです。ちなみに一休の特典では部屋のアップグレードやレイトチェックアウトがされるとなっていますが、果たしてどうだったのでしょうか。以下にみてまいりましょう。

チェックイン

さっそくチェックインをします。クラブフロアでありましたが、ホテルに着いたところで特に案内をしてもらえなかったので、ロビー階のフロントでチェックイン手続きをすることになりました。(このあたりのサービス水準は改善すべきだと思います)

しばし並んだあとにフロントにクラブフロア宿泊であることを伝えると、ようやく上のクラブラウンジでもチェックイン可能ということを伝えられました。こうした対応がよりスムーズだと好印象だったのですが、ちょっとこのあたりは難ありという印象を拭えませんでした。またクラブラウンジのスタッフもPC画面をみながら接客をしている方もいて、このあたりは改善すべき点だと思います。しかし他方でとても親切に対応されるスタッフの方もいたので、サービスにもばらつきがあるのかもしれません。

こちらがクラブラウンジ。ブラウン系の落ち着いた雰囲気です。カクテルタイムや朝食の時間帯ではなくてもオレンジやグアバジュースなどに加えて、チョコレートや野菜チップスなどが置いてありました。

ちなみにこちらがカクテルタイムのラインナップです。チーズやトルティーヤチップスなどのライトスナックが中心です。またアルコールはビール・ワイン・ウイスキーをはじめとしてリキュールなどクラブラウンジに標準的な内容が取り揃えられていました。

 

満腹になるほどではありませんが、ハムやスモークサーモンなどのコールドミールやグリルポークなどのホットミールもわずかにありました。

客室の様子

今回アサインされた部屋はクラブデラックスツインでした。もともとの予約はクラブツインだったので、ワンランク上の部屋にアップグレードされたようです。

ベッドルームは照明が少ないためか全体的にトーンが暗めです。ルームライトをすべてつけてもこれくらいの明るさ。よく言えば落ち着いていますが、個人的にはもう少し部屋全体に明るさがあってもよいのではないかと思います。

朝になるとこのような感じです。テレビはかなりのサイズ感があり、ライティングデスクも使い勝手は上々。イオン式空気清浄機も常備されています。

この部屋で特徴的なことのひとつは、エントランス入ってすぐ左手にこのようなベイシンがあるところです。なおエントランスの右手には独立式のバスルームとトイレがあります。部屋全体としてはまずまず広く快適で、インテリアも落ち着いていました。

バスルームにはシャワーブースが設置されています。水圧も申し分なし。ただしレインシャワーなどはなく、どうしても最近のホテルの設備と比較すると劣ってしまいます。

バスタブは特筆すべきところがないシンプルなものです。

トイレは独立式です。最新式のものが用意されていて好ましいですね。

アメニティはこのような感じです。バスローブやスリッパなどは最高級ホテルにあるようなものとまではいかないものの、まずまず上質なものが使われています。そのほかに無料のミネラルウォーター2本とコーヒーマシン(ネスプレッソやillyではなくUCC)もありました。しかしbluetoothオーディオなどはありません。

またヘアケア・シャワージェル・ボディローションは「le grand bain」。柑橘系の爽やかな香りかと思いきや、ベチバーのやや甘い感じが強くでてくるものでした。なお洗い上がりはどちらかといえばさっぱりとした感じです。

朝食

ベイシェラトン横浜&タワーズの朝食はクラブラウンジでも提供されていますが、2Fにあるオールデイブッフェダイニング「コンパス」でも取ることができます。

こちらのレストランは6時からの営業ですが、平日でも休日でも8時以降はかなりの混雑となり、並ぶこともあるそうです。このあたりのオペレーションも(仕方ない面もあるとはいえ)工夫が求められるかと思われます。

私は開店間際に行きました。この時間だとさすがに客足もまばらでした。

料理のバリエーションはなかなか多く楽しいです。質も最高とはいかないまでも悪くなく、卵料理などはオーダー式になっていて、作りたてを提供してもらえるようになっています。またソフトクリームマシンなども設置されており、子ども連れにも評判が良さそうな印象を受けました。

ホテル全体の評価

最新のホテルのような設備の充実はないものの、必要なものは取り揃えられており、やや重厚なホテルらしいインテリアをもったハード面は、2018年現在の横浜でもかなり上位にあると言っていいでしょう。また駅からのアクセスもよく駐車場の利用も比較的手頃な価格なのはおおいに評価できます。バレーパーキングのサービスはありませんが、価格帯を考えるとそれは妥当かと思います。

もっともこのホテルのサービス面は、スタッフによってばらつきがあり、当たる相手によっては快適にも不快にもなります。このあたりのサービス水準を高めてもらいたいと思いました。

まとめ

このように一休のダイヤモンド会員でも、マリオット+SPGゴールドエリート会員とほぼ同じようなサービス内容を受けることができました。ただしSPGメンバー専用のチェックインカウンターを利用することはできず、また(あくまで主観ですが)特別な客として迎え入れられたり、融通を利かせてくれるようなことはありませんでした。

したがってマリオット+SPGグループのホテルが好きな方であれば、一休のダイヤモンド特典の取得よりも「マリオット+SPG修行」に専念された方がいいのは間違いありません。余力があればプラチナ会員以上を目指すことでさらなる特別なもてなしを受けることができるでしょう。

しかしクーポン割引やプライベートセールの利用で格安での宿泊が可能になることに加えて、特定のチェーンにこだわらない自由なホテルステイを楽しむことができるところは一休の最大の特徴であるといえましょう。また一休のダイヤモンド会員は日本各地のホテルでそれぞれ内容の異なる特典を受けることができるようになっています。これはかなり日本の旅では心強いと思います。こうした柔軟性を積極的に活かせたら、かなり一休のダイヤモンド会員は利用価値が高いと思います。

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