2018年の1月にアジア初のハイアットセントリックブランドのホテルが銀座にオープンしました。街の中心・情報の中心を謳い、新しいライフスタイルホテルとしてのスタートした同ホテルは、すっかり東京の個性的なハイアットの一角として強い存在感を放っています。
同じハイアット系列の「アンダーズ」はもとより、マリオット系列のEDITIONや、IHG系列のIndigoやキンプトンといったライフスタイルホテルが次々に東京に開業が予定されている昨今、ハイアットセントリック銀座東京はその独自性をどのように打ち出していくのでしょうか。
今回は夜遅く到着し、朝早く出発するというかなり慌ただしい日程ではありましたが、このホテルの最もスタンダードな客室である「キングルーム」に宿泊してきましたので、そのリポートです。
チェックイン
今回はかなり遅い時間の到着となりました。昼も夜もかなり賑やかな銀座もさすがに深夜0時を回ると、静かな夜の気配に包まれていきます。
高級時計店などが立ち並ぶ並木通り沿いにホテルのエントランスがあります。やや大きめのブラックのドアの向こうに、鮮やかにフィルムが重なるデザインの光る壁が見えます。ここが派手になりすぎないところに、ハイアットらしいセンスの良さを感じます。
エントランスを入るとこのようにレセプションデスクがあります。昼の時間帯であれば、スタッフがここに立っているのですが、深夜の時間帯はこのようにガランとしています。メープルウッドの壁に銀座の地図をイメージしたメタリックな壁掛けが印象的な空間です。
エントランスからエレベーターで4階部分まで上がると、ロビーラウンジエリアです。奥に見えているラウンジには雑誌やフレーバーウォーターなどが用意されており、自由に利用することができるようになっています。さすがにこの時間は誰もいませんでした。また吹き抜けの下はダイニング・バー・ラウンジが一体となったNAMIKI667があります。
チェックインはロビーラウンジの左手で立って行います。同じライフスタイルホテルでも、アンダーズ東京よりもさらにカジュアルな雰囲気が強いです。
早速チェックインに進みましょう…
フロントのスタッフの方によると、ツインルームタイプであれば、デラックスルームにアップグレードできるとのことでした。しかし今回は滞在時間も短く、またひとりでの滞在だったこともあり、狭い部屋でも構わないと思ったので、特にアップグレードはしませんでした。
鏡に銀座の地図をイメージした線画が描かれた独創的なエレベーターで客室階に向かいましょう。なおキーカードをかざさなければエレベーターが動かないなど、セキュリティ面は万全です。
エレベーターを降りると、このようにポップな雰囲気に満ち溢れています。今回は客室のカテゴリーとしては最も低いものでしたが、階数は最上階を用意してくれたようです。スタッフの方もとても感じ良くて好ましい印象を強くしました。
なおこの壁の飾りですが、なんと文庫本や新聞などが用いられています。かなり大胆なデザインなため、好き嫌いは分かれるところかと思いますが、個人的にはここまでハジけているのは悪くないものだと思います。
キングルーム
それでは客室を見ていくことにしましょう。
ハイアットセントリック銀座東京の客室に入って、まず気がつくのは、部屋全体がかなり明るいということです。ホテル全体に言えることですが、落ち着いた雰囲気が好まれるためなのか、どちらかという客室は全体的に暗いのですが、こちらの客室はかなり明るい印象です。
もちろん照明の効果もあるのかもしれませんが、インテリアコードも明るめのウッドがベースとなりつつも、全体的に色とりどりの配色となっているせいかもしれません。
客室に入ってすぐのこちらは蓋を開くと鏡つきのベイシンとなりますが、閉じておくと、物を置いたり、簡単な書き物をしたりと多用に使えるものになっています
また設備をこのようにすることで、部屋全体がより開放的になるため、このホテルで最も狭い35平米という数値以上の広さを感じることができるようになっています。
バスルームも個性的な独立式です
12階からの眺め
朝食を簡単に
銀座から見る東京の夜景にまどろんでいるうちに、朝を迎えていました。この日は次の予定もあったために手短に朝食を取って出発することに。こういうときにブッフェ形式は便利だと思います。
ハイアットセントリック銀座東京の朝食は、3階のNAMIKI667のダイニング部分でとります。あまりグローバリスト特典のない同ホテルですが、こちらの朝食は無料で付いてきます。
コンチネンタルブレックファストを中心に、ご飯・焼き魚・味噌汁といった和物や、ドーナッツ、フムスやカレーなどまでかなりバリエーション豊富な朝食です。以前よりもさらにその種類の多さや質が充実したように感じます。今回はすぐに出てしまいましたが、改めてじっくりと訪れたいと思いました。
サラダのバリエーションだけでもこのように多彩です。アボカドディップとシュリンプとか、根菜をフムスに浸すとか、葉物野菜とキヌアに塩、オリーブオイル、バルサミコをかけていただくとか…実に様々な楽しみ方ができるようになっています。また奥に見えているのはアセロラジュースです。
このあたりの個性の出し方の巧みさも、このホテルの強みのひとつと言えるかもしれません。以前に宿泊したプルマン東京田町も同じような雰囲気を感じましたが、非常に伝わりにくい言い方なのですが、あちらはかなりフランス的なノリを感じさせるもので、こちら「セントリック」はより「和」のノリを強く感じさせられます。
もしセントリックがお好きな方であれば、一度、朝食だけでもプルマン東京田町のKASAに行かれることをお勧めします。ハイアットセントリックと似たようなアプローチを取りながら、微妙に外してくるその感じを味わうのもまた楽しいものだと思います。
チェックアウト
そうこうする間にもうチェックアウトの時間となりました。
部屋に戻る途中にこのように自転車が置いてありました。これはレンタルできるのだろうか?などと考えながら結局ホテルのスタッフの方に聞くのを忘れてしまいましたが…でも、気持ちの良い季節に、銀座からふらっと築地方面や皇居周辺などをサイクリングするのも良さそうだなどと考えていました。
こちらはロビーラウンジ横の大きな市松模様のテーブルです。チェックアウトはこの奥で行います。時間に余裕があれば、ここでゆっくり作業をしてみたり、置いてある雑誌や東京に関する本を読みながら過ごすのも良さそうですね。
今回は久々のハイアットセントリック銀座東京の宿泊となりました。
なんだかんだでグランドハイアット東京やパークハイアットの方に行ってしまうために、近くにありながらも意外と行く機会の少ないこちらのホテルでしたが、改めて魅力を発見できた滞在になりました。特にひとりで宿泊するのであれば、必要最小限のアイテムがコンパクトにまとまっており、スタッフも親切かつフレンドリーかつ全体的に明るい雰囲気なので、とても気持ちよく過ごせるのではないでしょうか。
また東京を満喫する上でも絶好の立地にあります。なにしろ銀座の中心ですので、ここを拠点に周辺を歩くだけでも色々な発見ができるかと思います。このような環境ですので、すでにザ・セレスティン銀座といったライバルも登場していますし、EDITIONなどの強力なライバルも続々と現れてくる予定です。しかしこちらも今後ともこのホテルの独自性を生かした魅力的なホテルとして君臨してほしいと願うばかりです。