【JAL・JGC】格安ビジネスクラスの香港・台北周遊ルートで12000マイル獲得する

JALの「12000マイル」についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

片道であれば日本全国どこでも行けてしまうし、往復でも<東京ー久米島・宮古・石垣>と<大阪ー石垣>を除くすべての区間の特典航空券が取れてしまうくらいのマイル数に相当します。また国際線であれば往復の特典航空券を取れる最低のマイル数は15000ですが、片道であればシンガポールまで行くことができるマイル数です。

言ってみれば、マイルを貯めることのひとつの目標点になる数と言えましょう。

通常これだけのマイルを獲得するためには、通常のクレジットカード(JAL CARD)の買い物であれば、200円で1マイルですから300万円も利用しなければならない計算になります。仮にマイルが2倍貯まる特約店であっても150万円ですから、コツコツと貯めれば不可能な数字ではありませんが、そうはいってもなかなか貯まらないものです。

今回の記事はそんな12000マイルを一度の周遊フライトだけで稼いでしまおうというものです。なお利用クラスはあえてビジネスクラスで移動します(そうする方が得をするルートなのです)。

あらかじめお断りしておきますと、このリポートはいわゆる「陸マイル活動」のご紹介ではありません。あくまでもJALのビジネスクラスに乗りたいと思っていたら偶然に発見したルートを共有するものです(もしかしたらすでにご存知の方も多いのかもしれません)。しかしこのリポートが読者の皆様の役に立てたならば望外の喜びです。

なぜ「空マイル」なのか

いまや飛行機での旅行にマイルは切っても切り離せないほど重要なものになりました。そしてマイルをいかに効率よく貯めるのかということの情報も山のようにあります。

たとえば、いわゆる【陸マイル活動】のようにポイントサイトの活用などを通して、大量のマイルを入手する方法もあり、そのための情報も数多く公開されています。しかしもとより不精な私の場合、こうした方法はポイントサイトの方針やポイントの付与の割合によって、日々変動があるので、いつも同じようなアプローチが取れないことが難点だと思っています(けっこう面倒くさいと思ってしまうのです…)。

もともと飛行機での移動が好きな私は、目的地までの移動にいくつかの乗り継ぎがあったりしても、さほど嫌な気がしません。むしろ地域ごとに特色のある空港を訪ねたり、様々な飛行機に乗ることができて楽しいとさえ感じます。

「空マイル」の魅力は、「陸マイル活動」のようなマメさが必要なく、移動自体を楽しみながら、一度に多くのマイルを獲得できるというところにあります。また今回ご紹介する周遊ルートをうまく利用すれば、単なる目的地への往復ではなく、一味違う旅程を楽しむことができるかもしれません。

今回のルート

それでは今回のルートをご紹介しましょう。

東京羽田(HND)→香港(HKD)→台北桃園(TPE)→東京羽田(HND)

※羽田から香港・台北桃園から東京羽田はJAL便利用

※香港から台北はCX(キャセイパシフィック)の片道航空券を利用

東京を出発してまずは香港に向かいます。香港からは台北経由でまた東京まで戻ってきます。このときにチケットは上記のように、東京から香港までの航空券と台北から東京までの航空券は日本航空で獲得します。そして香港から台北までの移動はキャセイパシフィック航空を利用しました。

香港から台北までの航空券は必ずしもキャセイパシフィック航空である必要はありませんが、JALのマイルが貯まることを考えると、CX便の利用は有力な選択肢となってくるでしょう。

さてここで、香港の単純な往復航空券ではなく、なぜわざわざ台北経由にするのか、という疑問をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。あるいは少し詳しい方であれば、往復の目的地を別にしてしまうと航空券も高くなってしまうのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。(じっさいに単純な片道の航空券の組み合わせは正規料金なので恐ろしく高い金額になることがあります)

しかし実際にはこのような周遊ルートを使うことによって、航空券を安く抑えて、なおかつマイルも通常より多く獲得することができるのです。またオマケとしては香港と台北のどちらも一度の旅行でカバーできるので、両方に行ってみたい方にとっては魅力的なルートかもしれません。

ではその仕掛けについてみてまいりましょう。

JALの周遊ルートとはなにか?

JALの公式ページから航空券の予約をする場合、通常は目的地を入力して、座席クラスを指定して…という手続きかと思います。このときに【その他の旅程】を選択すると、変則的なルートで航空券を予約することができるようになっています。

上記の水色の枠のところをクリックすると…

このような画面がでてきますので、搭乗日や出発地と到着地を設定します。

ポイントは往復とありますが、これは特定の場所との間の往復ではなくて、行きと帰りの空港がバラバラでも設定が可能になっていることです。ここで東京ー香港ー台北ー東京というルートを作ることができます。

とりあえず3泊4日の予定で考えてみましょう。日程はいつに設定してもいいのですが、とりあえず2019年4月10日に出発とすることにします。

エコノミークラス最安運賃で計算すると次のようになりました…

東京・香港間の単純往復:¥62,290(税金・燃油代込)

東京・香港・台北周遊:¥63,710(税金・燃油代込)

これだけだとあまり魅力がありません。むしろ香港ー台北を移動する分、余計に費用がかかってしまいます。しかしこれをビジネスクラス運賃で計算するとどうでしょう…

東京・香港間の単純往復:¥181,280(税金・燃油代込)

東京・香港・台北周遊:¥146,210(税金・燃油代込)

このように¥35,070も安いレートとなっています。

ちなみに香港ー台北間は航空会社にこだわらず、エコノミークラスで移動すれば、¥14,000くらいで移動することができます。ビジネスクラスでも3万円以下のレートがしばしば出ているし、あるいは周辺のマカオからLCCを利用して¥5,000台からの航空券も見つけることができました。

なお香港ー台北間のフライト時間は約2時間です。

ビジネスクラスの意味を考える

さて、みてきたように、この周遊ルートはビジネスクラスを利用することでその真価を発揮するものです。東京から香港までの所要時間は5時間です。韓国や上海といった近距離国際線はともかくとして、さすがにこれくらいの長さになるとビジネスクラスの良さを満喫するのには十分でしょう。

2019年3月現在、JALの香港線に投入される機材の一部にはプライバシー性の高い、ヘリンボーン式の座席が並ぶ「JAL SKY SUITE Ⅲ」が投入されています。実際私もこのシートでゆったりとした移動をすることができて、とても快適でした。

機内食の内容なども充実しており満足度は高いです。

この座席でくつろいで映画をみるのもいいし、空をぼーっと眺めてみるのもいい。あるいは大きなデスクで仕事を片付けてもいい。フルフラットになる座席なのでベッドのようにして寝てしまえば、目的地に着いた後の疲れ方が違います。

しかしもちろん料金は急激に高くなってしまいます。なにしろ通常の座席の3倍近い価格となるので、これはもう価値観の問題かもしれません。しかし周遊ルートであれば3万円以上も節約できるので、こうした価格差をいくらか縮めることができます。そしてここにマイルを貯めるという要素が加わることで、さらにビジネスクラスを選択するインセンティブが高まります。

周遊で12000マイル貯める

最後にこのルートでどれくらいマイルを貯めることができるのでしょうか。結論から言いますと次のようになりました…

東京ー香港:4672マイル

台北ー東京:3409マイル

ショッピングマイル(JAL CLUB A ゴールド):4341マイル

合計:12422マイル

ご存知の方も多いかもしれませんが、JALのマイルには通常のフライトマイルに加えて、ボーナスマイルというものがあります。東京ー香港間のフライトを例にしてみてみましょう。

東京から香港までの単純なフライトマイルは1823マイルです。しかしビジネスクラスは125%のマイル積算率なので2279マイルもらえます。

さらにJMBの上級会員やJALカードの会員には会員のランクに応じたボーナスマイルがつきます。私はJAL CLUB Aゴールドカードを保有しており、なおかつJGC(JALグローバルクラブ会員)ですので、フライトマイルに加えて105パーセントのボーナスマイルが付与されました。よって2393マイルもらえます。

このフライトマイルとボーナスマイルを合わせて4672マイルとなります。

おまけ:キャセイパシフィック航空の周遊ルートとの簡単な比較

今回の周遊ルートはこのボーナスマイルの存在が大きなポイントとなっています。実は同じような東京ー香港ー台北ー東京というルートは、同じワンワールドアライアンスのキャセイパシフィック航空でも作ることができます。しかも価格はJALと同じくらいか、ときどき安くなっています。おそらくこれは東京ー香港間に台北経由の便を飛ばしているため、それを利用することで価格を抑えることが可能なためと思われます。

しかしこのキャセイパシフィック航空のルートでは、JALマイルはフライトマイル分の1823マイルしか貯めることができません。

そしてJALカードの「CLUB A ゴールドカード」で決済すれば、特約店ということで、通常100円で1マイルのところが2倍の2マイル貯めることができます。そしてさらに私はこの「CLUB A ゴールドカード」の「アメリカンエキスプレス」を利用しているので、さらに100円につき1マイルが貯まるようになっています。結果として特約店では100円につき3マイルが貯まるようになっているので、このような高いマイル積算率を叩き出すことができているのです。

まとめ

最後に今回の記事のまとめましょう。

  1. 「往路:東京ー香港・復路:台北ー東京ルート」はビジネスクラスを利用すると得をする。
  2. ビジネスクラスは高いが充実したフライトを過ごすことができる。
  3. CLUB A ゴールドカードの「アメックス」で航空券を予約すると100円につき3マイル貯められる。

冒頭にも書いたように、12000マイルといえば、通常の買い物だけだと300万円分も利用しなければ貯まらないという数字です。それを14万5千円少々で獲得できるというのは、かなり魅力的ではないでしょうか。また12000マイルで往復可能な東京ー沖縄間を正規運賃で航空券を取ると、普通席でさえ9万円(もちろん先得などの割引を利用すればこの限りではありませんが)を超えてしまいますので、必ずしもビジネスクラスの14万超を高いと断じることはできないと思います。

今回の周遊ルートを利用すれば、優雅にビジネスクラスで香港・台湾を訪ねて、貯めたマイルで国内旅行をすることができます。またこれを応用すれば、香港から乗り継いでさらに中国各地をめぐるルートなどを作ることができます。私は実際に厦門まで行くのにこのルートを活用しました。

香港や台湾に旅行される方などで、もしご興味があればこのルートを検討してみてはいかがでしょうか。

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