エアプサンで成田から〜 ショートトリップ to 釜山(1)

1泊くらいでふらっとどこかへ、しかも少しだけ日常を外したところに出かけたい、という気分を抱いたときに、ふと潮風と人々の熱気の交わるところに行きたくなります。韓国第2の都市であると同時に、広安里や海雲台といったビーチリゾートを擁する観光都市でもある釜山。同じ港町でも香港ほどにはごみごみしておらず、かといって、単なる港町として括るには、あまりにも賑やかな不思議な魅力のある町。今回はパートナーと一緒に1泊で釜山に行ってきました。

今回の旅のはじまりは成田から。レガシーキャリア好きの私にしては珍しく、LCCのエアプサンを選択。滞在時間があまりにも短いという制約もさることながら、キャンペーンで片道3000円という破格の航空券が出ていたことと、乗ったことのない航空会社に対する好奇心など、様々な要因が重なって今回この航空会社で飛ぶことになりました。

搭乗は第1ターミナルから

成田空港から出発するLCCというと、第2ターミナルから徒歩(またはやや時間のかかるバス)で移動した第3ターミナルから出発するという印象を持つ方も多いかもしれません。しかしエアプサンに関しては、スターアライアンスやスカイチーム系列の航空会社が主に利用している第1ターミナルから出発します。

今回搭乗したのはBX111便。やはり沖留めではなくてボーディングブリッジ経由で搭乗できるのはありがたいものです。また第1ターミナルに位置していることから、レストランや免税店なども充実しています。

BX111便はエアバスA321での運行。ふだんJALに乗り慣れていると、まずお目にかからない機材でもあります。しかし通路が1本のみのナローボディ機としては世界中でベストセラーとなっており、かつてはANAでも「日本の風景」を描いたこのA321が運用されていました。

丸みのある柔らかい前面に胴長の機体は、全体的に丸みのあるエアバス機の中でもとりわけ愛嬌のある姿だと思います。

サービスはシンプル。でも韓国らしいアイテムも

座席の配置はA321の標準である3-3の6アブレストで、特別席の設定のないモノクラスの機内。座席の間隔は(多少はゆとりがあるとはいえ)やはり狭いため、やや圧迫感があります。また機内食のサービスはなく、みかんジュースか水のみが離陸後しばらくするとサービスされます。他にはシートバックのエンターテイメントシステムもなく、ただひたすらに移動するのみです。

機内食が出ないとわかると、なぜか無性に口寂しくなるもので…しかもギャレーの方からは、スパイシーな匂いがしてきます。つい我慢できなくなり我々は機内販売メニューに手を出すことになったのでありました。そして持ってきてもらったのが、おなじみ「辛ラーメン」です。機内販売ということで、地上で売っているものと比較したらものすごい高額となっていたわけですが、やむを得ません。

端的に麺に絡みあうスープの唐辛子の滋味と刺激がくせになる美味しさ。簡素な機内で感じた、ささやかな韓国の味でした。

釜山・金海国際空港に到着

そうこうするうちにファイナルアプローチに入り、約2時間半のフライトは終了。驚くほどのソフトランディングで金海国際空港に着陸しました。なお成田空港とは異なり、この飛行機はターミナルではなく沖留め。飛行機からはタラップを降りて、バスでターミナルビルまで移動しました。

外に出ると寒い。しかし東京の寒さとはさほど違わないような気がしました。釜山は海流の影響で、全体的に寒い朝鮮半島でも比較的温暖な気候で知られています。ここからタクシーで釜山の中心に向かうことにします。

いつもであれば、ホテルまで直行するのですが、今回は滞在時間がトータルで24時間にも満たないショートトリップなので効率的に移動しなければなりませんでした。私もパートナーも買いたいものがあったので、釜山の中心街のひとつである南浦洞までダイレクトに移動して荷物を一時預かりしてもらうことにしました。

ロッテ百貨店 光復店

釜山・金海国際空港からタクシーで約30分。西面(ソミョン)と並ぶ繁華街である南浦洞(ナンポドン)につきます。大通りから一歩入ると狭い路地にたくさんのローカルの商店街や市場があったり、屋台が出店していたりして賑やかなエリアです。また有名なチャガルチ市場もこのエリアからほど近いところにあります。

海にも近く、熱気に満ち溢れており、まさに釜山らしさを最も感じられるエリアといえましょう。今回はかなりのショートトリップとはいえ、やはりこのエリアを少しは散策したいもの。そして堪らない美味しさの屋台料理を食べたり、気楽な買い物などを楽しみたいものです。しかしそのためにはスーツケースなどを持っていると、どうしても邪魔になってしまいます。

そこで我々が考え出したのは、荷物一時預かりサービスを利用するということでした。

福岡からの国際船が出入りする釜山港や、ソウル方面に通ずる釜山駅から少し南に向かうとこの南浦洞に至るのですが、そのちょうど入口あたりに位置する大規模な百貨店が「ロッテ百貨店 光復店」です。

アトリウムを備えた綺麗な百貨店で、観光客のみならず地元の人たちで賑わっています。ここの地下1階には無料の荷物一時預かり所があります。場所はやや分かりにくいのですが、生鮮食品や日用品などを販売しているエリアの近くにワインセラーがあり、その奥に「Lotte smartpick」というコーナーがあります。

スタッフは韓国語のみでの対応ですが、荷物を渡すと預かり証を渡してくれるので、それを持っていけば大丈夫。そして帰りにその預かり証と引き換えで荷物を出してくれます。このサービスは非常に便利で、例えば日帰り旅行をするとなった場合にも使えると思われます。

なお荷物預かりは午後8時までとのことです。特にここで買い物をしなくても預かってくれるようでした。

しかし私はここで日本ではあまり知られていない化粧品を購入することにしました。これは以前釜山に行ったときに見つけてすっかり気に入ってしまった「DONGINBI」のプロダクト。高級な高麗人参のブランドである「正官庄」が手がけるスキンケアブランドです。濃厚に高麗人参の香りがするのですが、浸透感と保湿力に極めて優れた製品です。なおこちらのブランドはソウルや釜山にスパも運営していて一度は訪ねてみたいものです。

さて買い物もさることながら、南浦洞に来たらぜひ必ず食べたい逸品があります。そして我々の大好きなホテルと釜山名物の料理と…次回はそのあたりのお話をしてまいります。

フォローお待ちしています