セントレジスといえば、創業者のジョン・ジェイコブ・アスターがニューヨークに開いた超高級ホテルとして知られています。また現在ではマリオット傘下となった、シェラトンやウェスティンといったブランドを有するスターウッドの最上位ブランドとして世界中の主要な都市やリゾート地に系列ホテルがあります。
今回は大阪で仕事があったのに加えて、保有しているアメックスプラチナの特典である「ファイン・ホテル・アンド・リゾート(FHR)」の特典が適用されるということもあり、2019年1月現在、日本で唯一のセントレジスである「セントレジス大阪」に宿泊してきました。
ホテルに到着
セントレジス大阪の地下には大阪メトロ(市営地下鉄じゃなくなったのですね)の本町駅があり、大阪一の大動脈・御堂筋線をはじめとして、四ツ橋線と中央線に乗ることができるため、市内各所へのアクセスは極めて良好です。しかし伊丹空港にはリムジンバスや直通の鉄道はないので、やや不便かもしれません。私は荷物もあったし、御堂筋線のラッシュを避けるためにも高速バスで梅田まで来てから、タクシーを利用してしまいました。
コンシェルジュデスクのあるエントランスからエレベーターで上がってくると、かなり天井が高くて開放的な空間が広がります。暖炉に重厚感のあるソファ、そしてオリエンタルな絵画…セントレジスのコンセプトとなっている「時代を超越した優雅さのビジョンを実現した大都会の邸宅」を体現する空間です。
窓の外には小さな枯山水の庭園があり、室内はやや甘いお香のような香りが漂っています。東洋趣味の富豪の邸宅という印象。この世界観は客室にも貫徹されています。
この「邸宅」というのはまさに的を得た表現です。というのも、開放的でありながらも、面積の意味ではさほど広いわけではないのです。典型的なホテルのロビーのような人々が行き交う場というよりは、人もさほど通らない大邸宅の一角という印象を持ちます。
チェックインはフロントデスクで着席して行います。
評価: 4.0じつはチェックインのときに、最初に案内された客室のコンディションがあまりにもひどかったのに閉口しました。デスクやテーブルの拭き残しがあったり、ソファにとても目立つ傷があったり、極めつけは部屋がなぜか油臭い。さすがにこれでは気持ち悪いと思ったので、部屋を変えてもらうことにしました。このときの対応は全く問題のないものだったのでさほど悪い印象は持ちませんでしたが、まもなく開業から10年になるので客室にもやや劣化が見られるものも出てくるのかもしれません。
グランドデラックスキングルーム
今回の滞在は「グランドデラックスキングルーム」です。このホテルの客室としては標準カテゴリーに位置しています。なおアメックスプラチナの「ファイン・ホテル・アンド・リゾート(FHR)」特典で以下のような内容がサービスでついてきました。
セントレジス大阪・アメックスプラチナFHR特典
- 12時からのアーリーチェックイン
- 16時までのレイトチェックアウト
- 無料の朝食
- 100USドル分の飲食代
今回の滞在は比較的客室で作業して過ごすことも多かったので、朝食と100USドル分の飲食代はかなり助かりました。またこれらの特典を活用したおかげで、実質的には破格の1万円代でこのホテルに宿泊できました。
それでは客室をみていきましょう。
ベッドルームはこのようにホワイト・ベージュを基調に上品にまとめられています。広さも十分にあり使い勝手は良好。2枚目の写真奥側に置いてある金のアーモアがどことなく「ジャポニズム」を感じさせますね。
なかには冷蔵庫(ミニバー)やコーヒーメーカーにグラス・カップなどが機能的に収められています。どことなく古典的な雰囲気を漂わせる客室にあって、妙に近未来的な雰囲気があります。
ミニバーのラインナップです。
なお反対側の木の扉を開くと、このようにテレビが収納されています。ブルーレイ/DVDプレイヤーも標準装備されています。またテレビは傾けることが可能で、ベッドやソファに横たわりながら見ることができます。
スターウッド系列の高級ホテルに共通して言えることなのですが、ベッドの質がかなり高いと思います。とにかく気持ちが良い。このページでも以前ご紹介した「W」や「ウェスティン」など、全体的に寝心地に関してはかなり水準が高いのではないかと思います。セントレジス大阪についても、その原則にぴったり当てはまりました。
ベッドサイドも機能的にできています。革製の把手がついて収納可能なコントロールボックスも個性的かつこのホテルの世界観によく合っていると思います。
バスルームも独立式です
続いてバスルームです。ガラスで仕切られた独立式となっており、テレビやボディシャワーといった最新の設備も揃えてあり、かなりくつろげる仕様になっています。またバスローブがかけてありますが、肌触りがとても良く気持ちいいものでした。
ベイシンもダブルシンクとなっています。ベッドルームが白系だったのに対して、こちらは黒い大理石仕上げとなっていて、また別様の高級感がありますね。
必要なアメニティは概ねこの黒い箱の中に入っています。紋章付きのセントレジスのロゴが誇らしげです。また漆塗りの箱であるあたりが、やはりここも「ジャポニズム」を感じさせられます。
バスアメニティは「ルメードゥ」でした。これは同じくスターウッド系の高級ブランド「ラグジュアリーコレクション」であるプリンスギャラリー東京紀尾井町でも使われていました。ハーバルな香りが印象的で、ボディージェルはスクラブが入っています。
客室でしばし休憩
さてチェックインのときに客室を変更してもらうなどありましたが、全体としては上品な雰囲気で好ましいと思いました。客室に荷物が届けられると、バトラー(執事)が飲み物の注文を取りにきてくれました。コーヒー・紅茶・ジュースの中から選べるのですが、このように聞かれると私はだいたいオレンジジュースをいただきたくなってしまいます。
まずはしばし大都会・大阪のスカイラインを眺めながらウェルカムドリンクで一息つくことにしましょう。
セントレジスの特徴であるバトラーサービスをはじめ、このホテルで体験したサービスや食事のレポートなどについてはまた次の記事にてご紹介します。