成田ー羽田を優雅に移動する〜成田エクスプレスの旅

私は飛行機好きなのですが、乗り鉄(鉄道自体の旅を楽しむ一族)でもありまして、今回はフライトスケジュールの都合上、やむをえず成田空港から羽田空港までの移動をすることとなったのですが、久々に成田エクスプレスに乗ってきました。

ちなみに乗り物に乗ることを単なる移動と考え、できればなるべく安く早く移動したい方であれば、この方法はおすすめしません。まず単純化した所要時間で比較すると…

圧倒的にリムジンバスが早いわけです。同じく鉄道でも京成線のスカイライナーに乗って日暮里駅で乗り継げば1時間半ほどで着いてしまいます。ところが私が今回たどった成田エクスプレスルートだと…

もう単純に乗り鉄のたしなみと言っていいでしょう。ちなみに料金もリムジンバスならば¥3,100で行けますが、成田エクスプレスだと指定席利用でおおよそ¥3,700ほどかかります。なお今回はあえてグリーン車に乗ったので、さらに¥1,540かかっています。

乗車記

成田空港から羽田空港に向かいます。

今回は第2ターミナルの利用だったので、空港第2ビル駅へ。

鮮烈な赤!この券売機エリアの色使いのセンスはなかなかのインパクトだと思います。対照的にライバルの京成線は青でした。

偶然だとは思いますが、日本の2大航空会社も赤組(JAL)と青組(ANA)であり、赤組の私は奇しくも鉄道でも赤組を選択したことになります。

改札を抜けるとこのような感じです。

取り立てて特徴はありませんが、KIOSKで飲み物や軽食などを買うことができます。長時間の乗車にはならないとはいえ、成田エクスプレスは車内販売がないので、必要なものはここで手に入れておきたいものです。

余談ですが、ほぼ同じくらいの時期に完成した東京駅京葉線地下ホームとどことなく雰囲気が似ています。また京葉線はもともとこの成田空港へと新幹線を通す計画が頓挫したものを再整備した経緯があるなど、さりげないつながりもあります。

入線してきました。

新型のE259系になって久しいですが、一世代前の253系の雰囲気をよく引き継いでいます。先代の車両がかなり特殊な座席配置で良くも悪くも個性が際立っていたのに比べて、こちらは優等生的な印象です。

かつての成田エクスプレスのグリーン車は通路を挟んで1対1という大型の座席が並んでいたので、かなりゆったりとしたものでした。

こちらが現在の成田エクスプレスのグリーン車。

座席は革張りで座り心地もなかなか良いのですが、かつての大型の座席がどんとあったころに比べてしまうと、やはり質の低下という印象は否めません。対照的にこの列車の普通車の座席のクオリティがかなり高くなっているので、エクストラチャージを払ってまでグリーン車に乗る意味が薄れてきているという声も多く聞かれます。

しかしそれでもやはり私はこの列車のグリーン車はそれなりに価値があると思っています。

まずそれほど混むことがないので、隣に人が座ってくる可能性が低い(とはいえこれは普通席でも時間帯や座席指定を工夫すれば同じことがいえますが…)。普通席よりも少しだけシートピッチが広く足を伸ばせる。

それになにより京成スカイライナーやリムジンバスにはない、いわゆる「特別室」で移動ができるというのは大きいでしょう。この列車の普通車の座席のスペックもそれなりに高いので霞んでしまいますが、市松模様のカーペットの敷かれた床や革張りの座席などは、やはり上質な印象を残します。

4カ国語対応の案内ディスプレイにも成田エクスプレスのデザインが反映されています。こうしたブランディングのうまさは評価されていいように思います。

最短ルートだとこのまま乗り継いで品川駅から京急線で羽田空港まで乗るのが早いのですが、今回は東京駅で下車して山手線で浜松町を目指します。

目的は単純で、東京モノレールからの車窓を楽しみたかったからです。速達性を考えれば京急で行くほうがいいし、料金もほとんど変わらないのですが、臨海地区を滑るように走るあの感覚を体験したくて今回はこちらの経路を選択しました。

まとめ

やはり成田ー羽田間の移動はリムジンバスが安くて早くて楽だと思います。一番安く移動するのであれば、成田スカイアクセス線から京急線に直通する「エアポート快特」あたりが選択肢に入ってくるでしょう。

さて成田エクスプレスのグリーン車のエクストラチャージ¥1.540分の価値があるかですが、個人的には「ある」と思います。たしかに1時間少々の乗車時間なので普通車で十分という声はもっともなのですが、やはり「特別室」で優雅に移動するという楽しみを考えるのであれば、悪くはないものです。

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