【2020年12月改訂版】ハイアット上級会員(グローバリスト)への最短ルート

※2020年12月、ハイアットより、2021年に従来の半分の宿泊数orベースポイントでグローバリストになれる旨の発表がなされました。その情報については、本記事の最後に掲載しております。もしそちらをご覧になりたい方は、途中を飛ばしてお読みください。なお情報は2020年12月時点でのものなので、プログラムの変更に対応していない場合もありますので、その点はご了承ください。

今回はハイアットのロイヤルティプログラム、World of Hyattの最上級資格であるグローバリストを最安かつ最短で獲得する方法について検証していきます。

ホテルで最上級のVIP待遇を受けられる最上級会員資格を取得することはそれほど簡単なことではありません。もちろんホテル提携型のクレジットカードを利用することである程度の優遇は受けられますが、それでも最上級会員になるためには、それなりのお金と時間が必要になるわけです。これはもちろんVIP待遇の旨味という側面もありますが、様々なホテルを楽しむという趣味的な側面も強いと思います。つまり「修行を楽しむ」というわけです。趣味にならばお金と時間を費やしてもまったく苦ではありませんよね。

しかし今回の記事でご紹介する修行スタイルは、修行にかかるお金と時間を最小限にするにはどうしたらいいのかを追求したために合理的なものとなっており、そうした「楽しむ」要素はごくわずかです。したがってこのスタイルは万人にはおすすめしません。このスタイルを採用するかどうかは読者ご自身の旅行のスタイルに照らし合わせて考えてみるのがよろしいだろうと思います。

World of Hyatt・グローバリストとは

私は現在ハイアットのロイヤルティプログラムWorld of Hyattの最上級会員資格であるグローバリストを保有しています。

この会員資格で得られる特典とは以下のようなものです。

  1. スタンダードスイートまでの客室アップグレード
  2. 午後4時までのレイトチェックアウト
  3. クラブラウンジでのカクテルタイムと朝食(大人2名・子ども2名分まで)
  4. ミネラルウォーター・プレミアムインターネットアクセス無料
  5. 上級会員専用カウンターでのチェックイン
  6. 48時間前までの問い合わせで客室を保証
  7. 30%のボーナスポイント付与
  8. 年に2回のユナイテッドクラブ無料パス
  9. アワード特典をプレゼントできる「ゲストオブオナー」と特典を共有

個人的な経験では、客室のアップグレードはこれまでしてもらえなかったことはほとんどありません。例えば東京のハイアット系列のホテルで最高グレードに位置する「パークハイアット東京」であっても、最安値の部屋(スタンダードキングorツイン)を予約しても、だいたいパークビュールーム(2ランク上の部屋)にアップグレードしてもらっています。また各地のハイアットでもかなりの高確率でスイートルームまでアップグレードをしてもらうことができています。

↑無料宿泊で予約したのにスイートルームにアップグレードされた例@パークハイアット釜山

またレイトチェックアウトも外したことはありません。スイートルームだと、午後2時までの利用となることもありましたが、その場合でも別室のスタンダードルームにてしっかり午後4時まで滞在させてくれるといった臨機応変な対応をしてもらっています。これらの特典はかなり魅力的であり、個人的な経験を例に出せば、東京でも屈指の高級ホテルであるパークハイアット東京に1回の宿泊で¥80,000ほどの価値に相当するVIP待遇を受けることができました。

改悪による格差拡大と最上級会員超優遇

ご存知の方も多いかと思いますが、ハイアットのロイヤルティプログラムはかつては「ゴールドパスポート」というもので、その最上級会員はダイヤモンド会員でした。かつては年間に25滞在さえすれば、その資格を獲得できました。そのため典型的には、福岡のハイアットリージェンシー福岡とグランドハイアット福岡を交互に宿泊するなどの修行によって、比較的その資格を取りやすかったこともあり、人気のプログラムでした。

しかし…2016年末に制度が変更となり、急激に最上級会員への道が険しくなりました。その要件とは、年間60泊あるいは100,000ポイントをためること。。結果として多くのハイアット修行を行っていた人の反発を招き、世界規模で「改悪」の声が聞かれるようになりました。なにしろこれまでの倍以上の宿泊数を必要とするようになったのですから。

ちなみにWorld of Hyattでは、グローバリストの下に、エクスプローリストディスカバリスト、そして平会員であるメンバーというグレードがあります。

従来の25泊であればディスカバリスト。その特典は無料のミネラルウォーターと午後2時までのレイトチェックアウトくらいしか目ぼしいものはありません。そして30泊でようやくエクスプローリスト。エクスプローリストだとスイートルームを除く客室アップグレードや年4回のクラブラウンジ利用券をもらえます。しかし従来のダイヤモンド会員の特典を知っているとかなり物足りないものです。

やはり圧倒的にグローバリストが優遇される制度になっています。

どうしたら最上級会員を獲得できるのか

(1)正攻法でポイントを稼いで維持する

もっとも確実な方法と言えるかもしれません。必要なポイント数は100,000ポイントとなっています。ちなみに1ドルあたり5ポイントが必要なので、単純計算すると20,000ドルが必要です。

現在のレート(1ドル113円)で計算すると…年間で226万円!

つまり1ヶ月ごとに19万円をハイアットに費やすことになりますね。ちなみに10年間これを続けるとライフタイム・グローバリストとなり、永久会員に列せられます。

(2)ハイアットに年間60泊して維持する

こちらのほうが実践しやすいかもしれません。その理由としては…

  • ポイントを利用した宿泊も宿泊数にカウントされる
  • いくつかのキャンペーンを組み合わせる

今回はこちら(2)のルールをうまく活用して、最安・最短でハイアット・グローバリストの資格を獲得する方法を導き出してまいりましょう。

グローバリストへの最短ルートを考える

それではみてまいりましょう。最初に手順を示します。

  1. 低いカテゴリーのホテルを探す
  2. 滞在数を稼ぐ
  3. 無料宿泊特典やポイント利用宿泊を活用する

10万ポイントを稼ぐ方法であれば、カテゴリーの高いホテルを組み合わせながら「修行」を楽しむのも良いのですが、ひとまずグローバリストを獲得しようとすると、まずは地味な修行らしい「修行」を行なっていくことになります。しかし思い出してください。ひとたびその修行を終えたら、グローバリストの特権を生かして、ハイアットでのステイが劇的に快適になるということを。しかもカテゴリーの低いホテルであっても、スイートルームまでアップグレードされたり、クラブラウンジを利用できます。なにしろ会員数が比較的少ないので、こうした優遇を満喫することは十分にできることでしょう。

低いカテゴリーのホテルを探す

まず基本的なことなのですが、ハイアット系列のホテルには、そのホテルの設備の充実度や立地に応じたランクが設定されています。これをカテゴリーといい、最も低いカテゴリー1からカテゴリー8まであります。World of Hyattの無料宿泊に必要なポイント数も、このカテゴリーによって左右されます。ちなみにカテゴリー1であれば、1泊5000ポイントで利用できます。

日本国内の最低カテゴリーのホテルは2018年12月現在はハイアットリージェンシー大阪であり、こちらはカテゴリー2(無料宿泊は8000ポイント)です。

カテゴリーの低いホテルほど安い価格で泊まれる傾向にあります。まずはハイアットのページから好みのホテルを選んでみましょう。

ちなみに私が調べたかぎりでは、概ね¥10,000前後のホテルが多いのですが、アジアは物価が比較的安いのに加えて競争も激しいので、リーズナブルなホテルが多かったです。

あくまで参考ですが、ハイアットリージェンシー天津東などは¥8,600で宿泊できます。しかも比較的客室も新しいみたいです。

https://www.hyatt.com/en-US/hotel/china/hyatt-regency-tianjin-east/etihr

なお日本国内で修行をするのであれば、ハイアットリージェンシー大阪が比較的手頃なレートを出していることが多かったのですが、最近では、ハイアットハウス金沢は「修行」という観点からは見逃せないようです。

ひたすら宿泊する&特典を利用する

修行に見合う価格帯のホテルをみつけたら、あとはひたすら宿泊数を重ねていきましょう。ハイアットの場合は「滞在数」によるカウントではないので、連泊でも大丈夫です。

連泊の方がホテルまでの交通費などもかからないので、もし長期滞在ができるようであれば、その手を使わない手はありません。またカテゴリー1のホテルであれば、5,000ポイント=1000USドルを稼ぐことで無料宿泊をすることができます。これに加えて1年に30泊すると1泊分のカテゴリー1〜4まで利用できる無料宿泊もついてきます。

さてこれらを元に、モデルケースとしてハイアットリージェンシー天津東の例で考えてみましょう。

https://www.hyatt.com/ja-JP/hotel/china/hyatt-regency-tianjin-east/etihr

ハイアットリージェンシー天津東 1泊あたり¥8,600(目安)

こちらに単純に60泊したら¥516,000ですね。しかし¥8600を換算すると約75USドルになりますので、55宿泊で4,125USドル…つまり4回分の無料宿泊特典が利用できます。さらに30宿泊以上でもらえる1泊分の無料宿泊特典がつきますので、これで合計60泊分を稼ぐことができる計算です。

つまり実質的には¥8,600×55宿泊=¥473,000でグローバリストを獲得できる計算となるわけです。これは年間でポイント宿泊でこなしたら¥2,260,000は必要となるので、その差額は実に¥1,787,000です!このことはつまり少なくとも175万円は節約できる計算となるわけです。

2021年・コロナ情勢でのグローバリスト

上述の内容は、コロナ以前のハイアット修行の話でありました。しかし2020年の暮れも迫ってきた頃に、ハイアットから2021年は上級会員の要件を引き下げることを中心に、臨時のプログラム内容となる旨の発表がありました。

まず2020年3月段階で保持していた会員資格(グローバリスト・エクスプローリスト・ディスカバリスト)は、そのまま2022年2月28日まで期限が延長されます。このこと自体は、比較的早い段階から言われていたことでした。

むしろ注目を集めているのは、2021年にハイアットの上級会員になるための要件が大幅に緩和されているということでしょう。

  • ディスカバリストになるためには5泊または12500ベースポイント
  • エクスプローリストになるためには15泊または25000ベースポイント
  • グローバリストになるためには30泊または50000ベースポイント

単純に言って、例年の半分の宿泊数orベースポイントで上級会員が目指せるようになっているということです。日本国内のハイアットは、東京を中心に比較的割高なホテルが多く、また他のホテルチェーンに比べて数もそれほど多くはありません。したがって個人的には、上級会員資格を得ることによって優遇を受けられるホテルの数という意味では、他のホテルチェーンのプログラムの方が魅力的ではないかと思います。ただしパークハイアットをはじめとした、洗練されていて、個性の強いラグジュアリーホテルの存在に強く惹かれます。

もうひとつハイアットのプログラムの特徴としては、会員資格の獲得のために、スパ施設の利用やレストランの利用(※一部対象外あり)でもベースポイントを獲得できるということです。これはホテルステイをじっくり楽しみたい方にはとても良いことではないかと思います。何を隠そう、私もこれまで、宿泊数ではなく、スパやレストランなどのホテル施設をフルに満喫してベースポイント数でグローバリスト資格を維持してきました。SLHもハイアットと提携して、さらに内外の個性的なホテルも上級会員資格取得の対象になりました。この柔軟性こそがこのプログラムの特筆すべき評価点といえましょう。

最後に

さてこのように検証してきましたが、これはあくまで理論上の方法です。旅のスタイルはひとりひとり違うものです。なのでこの理論上の方法を応用した様々な計画(戦略?)を立てていくことになるかと思います。個人的には「修行」は自分がやっていて楽しくなければやる意味がないと思います。なので行ってみたい場所や食べてみたい料理を選ぶように、修行という枠組みの中で自分好みのホテルに巡り合っていく(そしてときにはその枠組みを飛び越える)、体験こそが愉しいのだと思っています。

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