ヒルトン東京お台場宿泊記〜眺望を抜きにこのホテルを語る

チェーンとしての規模に比して、東京でホテル自体の絶対数が少ないのがヒルトンとアコーホテルズだと思います。ヒルトンに関しては、マリオットには及ばないまでも日本全国各地にそのネットワークを広げているのに、ダブルツリーなどの比較的手頃なホテルがなく、また最上級のウォルドルフアストリアも計画段階です。

そうしたなかで東京近辺でヒルトン系列のホテルといえば、まず「コンラッド」はバランスよく、とても魅力的なホテルだと思います。しかし新宿にある「ヒルトン東京」は、やや年季が入っており、ホテルとしての必要条件はしっかりと満たしているものの、やや面白みには欠けてしまうかもしれません。そもそも面白さを追求したホテルではないのですが、例えば、マリオットやハイアットなどの、他のロイヤルティプログラムで修行している人がわざわざ「越境」してまで泊まりにくるような魅力には乏しいと言わざるを得ません。

今回リポートするのは、そうした都心部のシティホテルとはやや性格が異なる、アーバンリゾートとして捉えられることの多い「ヒルトン東京お台場」です。このホテルについては多くの方が書かれているように、レインボーブリッジとその背後に広がる東京都心の眺望がその大きな特徴として挙げられます。しかし今回我々は急遽当日の夜に宿泊が決まったこともあってか、そうした眺望からはかけ離れた部屋への宿泊となりました。そうしたアサインを逆手に取り、今回は眺望を抜きにして、純粋な意味でのこのホテルの魅力や欠点はどのあたりにあるのかを語っていきたいと思います。

チェックイン

今回はパートナーと一緒に都内で食事をしていたのですが、急遽、どこか近くのホテルに泊まろうということになり、探してみるとその日はどこのホテルもほとんど満室。偶然空室を見つけたこちらのホテルに滞在することに決めました。

地下に車を停めてから、ロビーに向かい、チェックインすることにはすでに深夜0時を回っていました。しかしまだこのロビー階にはまばらに人が歩いているのが見られました。都心部からやや離れているお台場エリアは深夜ともなるとかなり寂しくなってしまうということもあり、ちょっと意外な感じがしました。

もともとこのホテルは日本航空系列のホテル日航東京として1996年にオープンしたもので、ヒルトン系列になったのは2015年。まだヒルトンとしての歴史はさほど長くはありません。しかしインテリアコードは当然異なりますが、ウェスティン東京と年代としては同じくらいなので、全体的な雰囲気はどこか似ています。

チェックインの手続きを担当してくれたスタッフはヒルトンらしく丁寧ではありますが、過度には世話を焼かないスタイル。私は一応ゴールド会員なのですが、朝食の案内やレイトチェックアウトの手続きなどはリクエストしなければ教えてくれませんでした。何を隠そう今回はこのホテルに初のステイだったので、このあたりはやや不親切な印象を持ちました。混雑時であればともかくとして、深夜帯のチェックイン客は誰もいない状況だったので、このくらいの対応はしてくれてもよかったのではないかと思いました。

なお客室はアップグレード不可能とのこと。また突然だったため止むを得ませんが、眺望のあまりよくない客室への案内となりました。多少残念に思いましたが、逆にこのホテルの良し悪しを純粋にみることができるかもしれない?と思いつつ客室に向かうことにしました。

客室:ヒルトンルーム

早速客室を見てまいりましょう。

客室はスタンダードタイプの「ヒルトンルーム・キング」です。ただし角部屋らしくやや変則的な配置となっていました。

この客室に入って最初にもった印象は「暗い」ということです。全体的な照明の数があまりなく、また間接照明が中心となっているために客室の印象が思った以上に暗く感じられたのだと思います。これが昼にチェックインしたならば印象が違ったかもしれませんが、なぜかどんよりとした印象を持ってしまいました。ベッドルーム自体のインテリアコードは上品にまとまっているのに、アーバンリゾートを謳うこのホテルの客室がこうした「暗さ」を感じさせてしまうのは、かなりもったいない気がしました。

なおベッドの質は可もなく不可もなくというところ。感動するような心地よさもなければ、これといった不満も特にありません。向かい側にはテレビが置いてありましたが、こちらのサイズは十分なものです。つまりインテリアコードはおくにしても、部屋の設備自体としては万人受けする内容になっています。このように規格化された快適さというのはヒルトン系列に共通するところだと思います。新宿の「ヒルトン東京」にも同じようなものを感じました(インテリアには特段の魅力を感じないが、かといって大きな不満もない)。

バスルームは独立式ではなくユニットバス。トイレも併設され(しかもバスタブとかなり距離が近い!)、またシャワーブースなども特にありません。さすがにインテリアは大理石調のもので無骨さはなく、また壁掛けの絵の感じも全体との調和が取れるようなものとなっていますが、あまり感動するような設備ではありません。こうしたユニットバスは、最新のホテルであれば、ビジネスホテルであってももう少々快適な設備となっているものもあるので、客室の価格に見合うような内容とはいえないでしょう。

手前側にはこのようにベイシンがあります。ベッドルームほどではありませんが、ここもなんだか薄らとぼけたような明るさなので、なんだかあまり明るい気持ちにはなれません。間接照明が中心なのに、なぜかやたらと鏡の横のライトが煌々としているのが、アンバランスな印象です。

しかしこのバスルームについても、ベッドルーム同様に、設備自体としては大いに不満があるというほどではありません。ある程度快適に使うことができると思います。

ヒルトン共通の「クラブツリー&イブリン」のヴァーベナ&ラベンダーのバスアメニティなどが必要な分だけ用意されています。このあたりも万人受けすると思います。

朝食はルームサービスにしました

じつはこの日は夜がかなり遅かったせいもあって、通常の朝食の時間に間に合いませんでした。そこで我々はルームサービスを取ることにしました。

ルームサービスメニューはまずまず豊富な方だと思います。私は中華式朝食をお願いしました。こちらは75点の味だと思います。なおヒルトンゴールド会員であれば朝食は無料なのですが、それは基本的にロビー階にある「シースケープテラス」での朝食に限定されています。したがって、当然のことながら(?)、ルームサービスへの振替はすることができず、正規の料金を払う必要がありました。

全体的な感想

ルームサービスを取り、のんびりしていたら、あっという間にチェックアウトの時間となりました。

翌朝の客室の窓からの景色はこのような感じ。曇り空の向こうに大井埠頭のコンテナターミナルが見えました。夜になると都心部方面に比べると地味な景色となります。なおベランダには出ることができ、潮風を感じることができるようになっています。これが都心部方面だと印象がまた変わるかと思います。

さてこうして全体的に見てみると、共通していえることは、特筆すべき点は特にないけれど、かといってどうしようもない不満もない…平均点のホテルということです。

この平均点というのをどのように評価するのはそれぞれの価値観によるかと思います。私個人はリピートは(少なくともこの客室については)しないだろうと思います。設備面での古さをカヴァーするなんらかの手段がなく、また客室全体の雰囲気もやや暗いです。その割には宿泊した当日は価格が高めであったので、そこまで出して行く価値はないように思ってしまいました(同じ価格であれば、もっと快適なホテルは数多くある)。

個人的にこの客室では1万円台が妥当なのではないかと思います。しかしある程度割り切るのであれば、平均的な設備が揃っているため、まずまず快適な滞在をすることは可能だと思います。お台場エリアでは競合が少ないために、気軽に海沿いのアーバンリゾートを堪能したい向きには良いかと思います。しかしその場合は多少割高になってもレインボーブリッジビューを指定することを強くお勧めします。

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