2019年7月1日についに浦安にオープンした【ハイアットプレイス東京ベイ】に開業翌日に宿泊してきたので、今回はそのときの様子をリポートしてまいります。
今回の滞在は夜に到着し、翌日の早朝にチェックアウトしてしまうという、非常に短いものでした。ホテルの隅々までゆっくりみられたわけではありませんし、朝食も含めて料飲施設の利用もありませんでした。そのため客室などの大雑把な印象が中心となってしまいます。しかし個人的には、逆に、そういう短時間の滞在だからこそ感じるところもありました。今回の記事では、今後のこのホテルに対する展望も含めて、レビューしてみたいと思います。
チェックイン
今回の滞在はオープン翌日の7月2日。開業当日はかなり華やかなパーティなども開かれていたようですが、その翌日の様子はほどほどに落ち着いていました。ホテルには車で向かいましたが屋外に駐車場があります。エントランスのアプローチ付近はなかなか立派な作りになってはいますが、バレーパーキングのサービスはありません。
ロビーエリアの雰囲気はこのようにハイアットらしいモダンなもの。個人的な印象では「ハイアットセントリック銀座東京」とか「ハイアットリージェンシー那覇」などと共通するものを感じました。奥の方にはコンビニエンスストアのローソンが営業しています。
ちなみにローソンの営業時間は「午前6時〜午前1時」まで。周辺のホテルに入居しているコンビニが24時間であることを考えると、やや不便と見る向きもあるかもしれません。あるいは現状はオープンしたばかりなので、今後の利用者数に応じて柔軟に運用を変えていくのかもしれません。
World of Hyattの特典などについて
チェックインは、簡易的なバーラウンジである「ナインドットバー」とペストリーコーナーである「ギャラリーマーケット」と一体化したつくりとなっています。このような仕組みはかつて滞在したマリオット系列の「モクシー」などを連想させます。ただしモクシーはかなり弾けてカジュアルな感じではありましたが、こちらはあくまでもシックで落ち着いた感じがあります。このあたりはいかにもハイアットらしいな、と思いました。
またチェックインのときはスタッフの方たちもまだ不慣れな点が多かったようで、かなり手間取っている印象が残りました。新しいホテルながら案内もしっかりとされなかったため、不明な点も多いままで客室に向かうこととなりました。これは新規オープンのホテルにはよくあることかと思います。
ちなみに電話で確認したところグローバリスト独自の特典としては以下の通り…
- レイトチェックアウト(16:00まで)
実質的にはこれだけです。その他もちろんボーナスポイントの割合が高いなどの基本的な特典はつきますが、クラブラウンジなどもなくあまりグローバリストであることのメリットはないかもしれません。しかしWorld of Hyattの会員であれば誰でも朝食が無料になるということを考えると、ハイアット修行を始めたい方などにはうってつけのホテルと言えるかもしれません(宿泊費も他と比べてかなり割安です)。私は未確認なのですが、こちらのホテルの朝食はかなり充実した内容となっているようです。
客室「キングルーム」の様子
続いて客室をみてまいりましょう。
今回はかなり短時間の滞在だったので、最もリーズナブルな「キングルーム」を予約しました。予約がかなり入っていたためか、特に客室のアップグレードはありませんでした。
客室は26㎡とやはりハイアットのホテルとして考えるとコンパクト。このあたりはハイアットのホテルブランドとしてはバジェットラインに位置づけられる「ハイアットプレイス」らしい点といえましょう。しかし非常に機能的な配置であるほかに、すっきりとしたデザインコードも手伝ってさほど圧迫感を感じることはありません。ロビーでも感じたことなのですが、ハイアットセントリック銀座東京とどこか似たような雰囲気を持っていると思います。
テレビは薄型のもので大きさも十分。ベッドも適度に柔らかくバランスの良い寝心地でした。ここでネスプレッソが置いてあったら嬉しいところですが、残念ながら、コーヒーなどはインスタントのものです。その他にもランドリーサービスも省略されているなど、このあたりの割り切り方もハイアットプレイスらしさでしょう。
バスルームは独立式で清潔感も高くかなり快適です。バジェットレベルのホテルにも関わらず、このように快適なバスルームを用意してあるところなどは、かなり好印象です。椅子も用意してあり、ゆったりとしたバスタイムを楽しむことができます。
バスアメニティはハイアットリージェンシーなどでもおなじみの「ファーマコピア」です。しかし使い慣れたシトラス系の香りのものではなく、ウッディでとても上品な香りのもの。使用感にはさほどの違いを感じませんでしたが、個人的にはかなり好きな香りで元気な気分になれました。
トイレとベイシンはバスルームに隣接してあります。バスルームが独立式であるため余裕を感じます。ただし置かれているアメニティは限定的です。個人的にはボディクリームが置いてあったら嬉しいのですが、残念ながら用意がありませんでした。
バスローブはパークハイアットなどの高級ラインだとどっしりと重いものが用意されていますが、こちらは軽やかなものです。しかしかなりふわふわの着心地のよいものでした。この質感はハイアットセントリックに用意されているものと同じ感覚でした。
なおその他の備品として、ちょうど旅先で見ようかと映画を持っていったのですが、ブルーレイ/DVDプレーヤーはまだ搬入が間に合っていないとのことです。このあたりもまだ本格稼働の前という印象を持ちました。
終わりに
翌朝が朝食の営業時間の前の早朝に出発するというかなり慌ただしい滞在だったため、あまりゆっくりとホテル自体を楽しむことはできませんでした。通常であれば24時間営業のオールデイダイニングである「ギャラリーキッチン」で朝食を取るところですが、それもパス。
このハイアットプレイス東京ベイの周辺には、ディズニーセレブレーションホテルをはじめとして、いくつかのアーバンリゾート系のホテルがあり、おそらく競争関係になると思われます。
東京ディズニーリゾート(TDR)へのシャトルバスもホテルエントランスから出ています。TDRの近隣のホテルの方向性としては、確かにTDRへの観光客を主な利用者層として想定していると思われます。実際に先日ひとりでヒルトン東京ベイに滞在した時には、全体としてポップ(時としてファミリー志向)な世界観を演出していることを強烈に感じました。
しかしハイアットプレイス東京ベイの場合は、もちろんTDRの利用者も一定数想定されているとは思いますが、必ずしもTDRだけに目が向いているわけではないように思いました。ルーフトップバーの設置などに代表されると思うのですが、グランドハイアット東京のような世界観が好きな人にもウケが良さそうな、どことなく煌々とした雰囲気を持っています。使い古された表現を使うならば「大人っぽい」雰囲気を持っていて、既存のTDR周辺のホテルとは明らかに一線を画しています。
今回はスタンダードな客室に滞在しましたが、こちらのホテルにはテラス付きの客室やスイートルームも用意されているので、いずれはそれらのより個性が出ているであろう客室にも滞在したいものです。また寿司や鉄板焼きのレストランやルーフトップバーなどのレストランも未踏なのでこちらも訪問してみたいと思います。もしホテル自体に感じる魅力が薄いものであれば、こうした感想も抱かなかったと思うのですが、不慣れながらもスタッフの方たちは丁寧に対応してくれようとしていたし、またホテル自体の空間演出もなかなか魅力的に思いました。
ハイアットでもバジェットラインに位置づけられる「プレイス」ですが、それでもハイアットらしさをそこかしこに感じさせます。今後はサービスの水準もきっと向上してきてより魅力を重ねていくことが期待されることでしょう。また価格帯も割安なため、ハイアット修行を回数で行いたい方にとっても非常に魅力的なホテルでしょう。難点は都心部からもTDRからもやや離れた場所にあるというところでしょうか。
とはいえ、ハイアットでもバジェットラインに位置づけられる「プレイス」ですが、それでもハイアットらしさをそこかしこに感じ、また今後はサービスもこなれたものへと向上していくことが期待されます。そうした意味でも再訪が楽しみだと思えるホテルといえましょう。